第15章 強さ
ケイト「あのなあ…
不安に駆られる奴なんて、そこら中に居るんだよ。
それでも、楽しめる要素があるのに楽しめなかったら…
それこそ、救われないじゃんかっ…」涙&震
「!!…え?」
ケイト「不安に駆られて、押し潰されて、死んででも帰ろうとする人だっている。
泣き寝入りし続けてる人だっている、哀しみ続けてる人だっている。
死にたくないって、白の鳳凰に助けを求める人もいた。
それでも…ここに居るのは、そうじゃない。
何とか立ち上がって、踏ん張って、今って状況を楽しもうって、不安に負けずに自分らしく生きようって頑張ってる奴等の方が今は多いんだ。
やっと立ち直って、遊びに来てる人だっているんだよ。
だから…そんな人達まで、不安にさせるようなことを気安く言ってんじゃねえよ!」
キリトが肩を掴んで後ろへ引っ張る中
彼女を押さえていた左手をそっと離される中、ケイトは涙ながらに睨んで叫んだ。
その言葉で、何に対して怒っていたのか解った。
ケイト「やっと立ち直った人がいる。心から楽しもうとしてる人がいる。
そんな矢先にそんな言葉吐きかけられて…楽しめるわけがねえだろ!!
そいつらの気持ち考えろよ!
そりゃ…不安になるのも解るし、お前達だって不安なんだろうけどさ…
それに人を巻き込むなよ!
巻き込むんなら私達白の鳳凰だけにしろ!!
それなら何言ってくれたって構わねえよ!!!不安暴露しようが不満ぶつけようが文句も言わねえよ!!
そんなお前達も丸ごとひっくるめて現実に返したいから…
不死鳥のシンボル…白の鳳凰にしたんだ。
是が非でも護りたいから、全員生かして返したいから…
こんな状況だけど、楽しんで欲しいから…絶対に、いつでも助けれるようにって作ったんだ。
助けられない人なんて、居なくなるようにって…危なくなったら、すぐ助けられるようにって!
泣いたままずっと過ごし続けて帰ったって…そんなの、何の意味もなくなっちゃうから。
その方が、その時間が、もったいないから。
だから……白の鳳凰を、作ったんだ。
だから…お前達にも、笑って…楽しんで欲しいんだよ。
頼むから…せっかく楽しんでる奴等に、不安煽るようなこと言うなよ。
白の鳳凰以外には、言わないでくれっ;;」
その目は涙で濡れて、縋るような小さな声が響いた。