第15章 強さ
その食事の折、昨晩ケイトに起きたことと
今朝に話していた会話の件を、彼等に伝えました。
ケイト「否定されたらなあって…不安がどうしたって付きまとうけどさ」俯
クレハ「その必要はありません」きっぱり
ケイト「でも…」
クレハ「否定するわけがないでしょう。
あなたは、人を拒絶できない。
ましてや真っ向から否定などはしない。
あなたは、決してそうしなかった。
だから私は、信じられた。
心から私を信じて、愛してくれた。思いやってくれたその心こそ、大事なものです。
それこそが、あなたの強さです。
それがわかったから、あの時頷いたんじゃないんですか?」
ケイト「!!」
クレハ「だから…信じることに、決めたんでしょう?」
ケイト「うん…うん!^^」
温かな眼に、私は笑い返しながら頷いた。
そのあの時は414ページ参照。
クレハ「だったら、大丈夫。堂々としてなさい。
あなたは、自分にできることを精一杯やった。
その時を必死に生きた。
それで例え結果はどうであったとしても、傷つけないように殺さないように必死に頑張った時間は変わらない。
その想いは、変わらない。決して!
だから…あの時(411ページ参照)、「私も…同じです;」の言葉の後すぐ
『あなたが、居てくれたから…』と伝えたかった。
涙ぐんで、声が詰まってしまって言えなかったけれど…
本当に、心から感謝しています。
だから…自分が自分であることまで、否定しないで。
そうでなければ、私はきっと、ここにはいなかったのだから」
ケイト「……(ふっ)
うん、わかった!
ありがとう、もう大丈夫!^^
(はっ!)って大丈夫って言ったらダメなんだっけ?;」
クレハ「無茶をしてまで、倒れるまで身を尽くしていては、自分のことがおろそかになってしまう。
そうすれば、その人生は自分のものではなくなってしまう。
余裕があるときでいい。力になるのは、その時だけでいいから…
しっかりと前を向いて、堂々と生きなさい。
あなたは決して、人を傷付けようとしないこと。その生き様は変わらないこと、よく知っていますから」微笑
ケイト「…うん!
あのね、クレハ…
私、とっくに救われていたんだよ。クレハのお陰で、さ…^^」涙
クレハ「ええ、知っています^^」涙