第15章 強さ
ケイト「それにね…
私、二番目に生まれるはずだった子に言ったんだ。
『任せとけ!!』って」
クレハ「え?」
ケイト「私、本来は三番目に生まれるはずだったんだよね。
でも、二番目は身体が弱くてお腹の中で自分から降りて死んだ。
で、私が生まれ変わる矢先に、母親のこと頼まれた。
それに私はそう答えたんだ。
結局…その約束を守れなかった。
ろくなことしか、できてない気がする。
でも…とっても、大事な人だったんだ。
ま、早い話…その人の分まで生きなきゃ、もったいない!!
この在り方は間違ってるかもしれない。でも誰もが間違う。
それを赦せるか赦せないかって違いだけで、悪にも善にも変わるんじゃないかって…
だから迷わないことに決めた。たとえそれが人から見て間違いだったとしても!
互いに殺さないように、傷付けないように。
自分なりに頑張っていけば、それが自ずと形になる!
それが…クレハ達が信じてくれたことへの、私なりの恩返しで
私っていう、たった一つの生き方だ!!
それで…いいよね?」
クレハ「ええ」
その言葉に、私は笑いながら頷いた。
ケイト「よかった^^
これで間違ってたらどうしようかと思ったよ;」ほっ
クレハ「くす)…迷わないんじゃなかったんですか?」
ケイト「うっ;
でもそれで否定されたらなあって不安になるじゃん;」
クレハ「なりませんよ。
だって…ケイトですから」微笑
その瞬間、数多の想い出と共に
希望に満ちた、ケイトとの日々が心の中で瞬いた。
あの輝かしい日常を、救いとなった笑顔を、思い出しながら笑った。
ケイト「……(目を丸くする)
…(くす)
うん!^^
私も、信じる!クレハを!皆を!
私も!私の心も!絶対に負けないって!!
負けても、頼れるんだって。
きっと何度でも打ちのめされちゃうだろうけど」不安そう&目を瞑る
クレハ「いいじゃないですか、それで」
目を伏せて笑いながら、両手を取った。
ケイト「え?」
クレハ「その時は何度でも私達が付き合います。
あなたが、そうしてくれたように…^^」
そう笑いかけた瞬間、今までそうしてくれる人がいなかったからか
そういう人達に、恵まれなかったが故か…
再びケイトの目には、涙がこれでもかと言わんがばかりに溢れていた。