第15章 強さ
霊感があった理由、今になって分かったよ。
そのクズの行く末を見えるようにすることで、心の強さを持たせようとしたんだ。
相手は、何もしてくれないんだから…
いいように、利用されてるだけじゃん。不満の捌け口に、抵抗しないからって……
それをちゃんと見てとれる目があっても、それと向き合わないまま
自分の想いに、心に蓋をした。
自分で自分を縛って、弱くしてしまっていた。
立ち向かうよりも、自分を殺す方が楽だから、誰も嫌な思いをしないで済むからって…
そう、勝手に考えてしまっていた。
いや、思考もせずにそのまま決めつけてしまっていたんだろう。
ねえ、知ってる?
神様はね、本当にすっごく優しい。
でも…要らないと判断した人間は、世界からすぐ消滅させる。それぐらい、厳しくて怖いんだよ。
何でそんなに厳しく出来るか、それまでの私には解らなかった。
でも…今になって、わかった。
それ相応に、厳しさを持たなければ生きていけない。
それは自分の人生ではなくなってしまう。合わせた人達の、周囲の人生となってしまう。
その人は、自分に代わってなどはくれないのだから。
『自分自身』が強くならないと、いけなかったんだ。
自分ってものをちゃんと持って、相手と戦う心を…持たないといけなかったんだ。
相手のそれに、その全てに振り回されてるままじゃ
自分の今一番やらないといけない事、本来あったはずの学びさえも、できることも時間までもが段々と減っていく。
相手のそれを気にし続けていた所で、その気持ちを考えて思い悩み続けた所で
それは…相手にとっては何でもないこと。
それで損をするのは、自分だけだった……
押しに弱すぎた。だから相手を付け上がらせた。だから何年もいじめは止まらなかった。
大人になった今でも、周囲には言いたいように言ってくる。そういった連中が数多くいる。
自分を知ると語る奴等は、誰もがいじめっ子で、ろくに知らない人達しかいなかったから。
一緒にグルになって、あいつは悪い奴だって言い聞かせて広めて、抱き込もうとする人しかいない。
でも…もう、いいや。
相手にしないのが一番だ。地獄落ちになる連中なんて。
相手は一切変わらないんだから、気にするだけ無駄だった。