第15章 強さ
他人の評価なんか当てにしない。
それに振り回されて、あんな風にぎゃいぎゃい言い続けるのなんて、それと同じになるなんてまっぴらだ。
もしそういう人が現れて、傷付けるような言葉を吐かれたとしてもそれに傷付く必要は無い。
相手はそれをやって何とも思わない人間だから、そんなクズで地獄に落ちるってことは確定事項だから。
『そういう人間なんだ』と割り切って、切り捨てて、見限って、見切って…
しっかりと、自分の人生を歩もう。これからは…それに振り回されないようにしよう。
心配だってクレハ達が言ってた気持ち、今は解るよ……
私はただ、人に甘かっただけなんだ。優しさを通り越して。
一々振り回されたって、哀しんだって、泣いたって叫んだって死のうと心から思い悩んだって、周りはどうとも思ってない。寄り添おうともしない、向き合おうともしない。
そういう人間は、そういう人間なんだから。
それ相応の厳しさをもって、徹するべきだった。
人に同じ気持ちを味あわせたくない。それはまごう事なき、自分っていう証だ。
自分で悩んで、考えて、心から想ったことだから。
人の行為に、一々哀しんでなんかいられない。傷付いてなんかいられない。
そんな時間がもったいない!!
ケイト「生きよう…
これからは、ちゃんと。自分っていう人生を!(真剣)
強くなるんだ!!」
相手を踏みにじる言葉は吐かないようにしてる。迷惑もかけたくないから、自分から話しかけることはまずない。
自分で解決できるそれは、自分一人で何とか頑張っている。
それでも言ってくる奴は、手前勝手な理屈で好き勝手にほざいてるだけだ。
そいつのことを想って、泣いたり、哀しんだり、痛んだり…
でも本人はそれほど、自分のことなんて思ってない。
ただ…その相手の心に寄り添おうとする心を、利用されていただけに過ぎなかったんだ。
相手のその気持ちに寄り添った所で、寄り添われたことなんて一度もなかった。
あっちの自分も、今ここで個室に居る自分も、24歳になるまで全くなかった。
自分のことを、気持ちを、境遇を、考えてくれた人なんていなかった…あいつらに会うまでは。
人を傷付けて笑ってられる人間に、何を求めようとしていたんだ。自分は…
ケイト「バッカみてー」
一人、部屋の中で小さな声がこだました。