第15章 強さ
その夢は…「チクった」と、それが悪いことだと主張して責め続けてくる所だった。
嫌がらせとして散々言い続けてきた暴言は全て棚上げしての行為。
それに不思議と苛立ちは感じず、痛い、苦しい、やめて、といった感情だけだった。
やめてって言ったよな!?
助けてって言ったよな!?
何度だって叫んだよな!!?
死にたいぐらい悩んでて、誰も助けてくんなくて、やめてって言ってもやめてくれなくて
一年間ずっと人権侵害して、人傷付ける言葉吐き続けて!やめてって言ってもやり続けて!!
それで最後の最後に、私は先生に縋った。
自分じゃどうにもできないから、周りは変わってくんないから!
自分の気持ちも全部、どうでもいいとしか思ってない奴等しかいないから!!
それで…チクった?
それが悪いこと?
なら、ずっと耐えて、ずっと殺して、そいつにさえ合わせてさえいればいいんだってか?
言われたいように言われ続けて、抵抗しないで、暴力や暴言にもへらへら笑っていろってか?
ずっとそういうこと毎日教室に来る度にやり続けといて、嫌がらせをやめないでい続けて、それで何様のつもりだ!?
どれだけ棚上げすりゃ満足なんだ?
いや…そういうクズだから地獄に落ちるのか。
自分のせいで、そうやっているんだと思ってた。
虐める行為を、自分さえいなければしないんじゃないかって、どこか負い目を感じていた。
だからか…彼等を責める気など湧かなかった。
でもそれは、その行く末が霊感故で分かっていたからというのもあったのかもしれない。
そうか…だからか。
絶望したのも、失望したのも、自分がこんな風になっちまったのも。
自分さえ殺せば、いいんだって思うようになったのも!
だから、人間なんか大っ嫌いなんだよ!!
今になって分かる。
どれだけ、自分も周囲も歪んでいたのかが…
周囲は自分しか大事にしていない。
自分は周囲のことや気持ちしか考えてないし、自分はもっと大事に出来てない。
それは霊感があるから余計、相手の感情がわかってしまうからだ。
自分主体で悪いことをやった人間のことをねちねち言って、周囲を抱き込んで、巻き込んで、私一人へ向けて悪く言い続けて批判していくように差し向けてくるだけ。
こちらからはやっていなくとも、ずっと続けていく。