第15章 強さ
それから私はキリのない誘いを断りながら、舞台に設置された個室へと逃げ込んだ。
ケイト「あ…あのさ、クレハ。
私へ別に、気にしてないかr
クレハ「利用されているだけです!!
それ目的で来たんでしょう!?
私には、それぐらいの見分けはつきます!
あなたの為に動こうと、繋がりを持とうとしているのではない。
都合のいい時に助けて欲しいから、フレンドになって欲しいと言っているだけ」
ケイト「でも、自分も助けになれるならなりたいし」
クレハ「無理をしないでいいんです!!
あなたのことだから、私ははっきりと言えます。
あなたは、誰かが危険に陥ったら見過ごしたりなどはしない!
助けられない側の気持ちがわかるからと、身を投げ出しても護ろうとする!!
ちゃんと友達は選びなさい!!
相手はそれほどあなたのことを考えてはいないんですよ!!?
あわよくば利用しようとしているだけです!」
ケイト「でも…それでもいいから、幸せになって欲しい」
クレハ「あなた自身の幸せはどうでもいいんですか!!?」
ケイト「クレハ…
私は…皆が幸せなら、それでいいよ」
その笑みはどこか儚げで、今にも消えてしまいそうに見えた。
流石のそれには、私も…開いた口が塞がらなかった。
クレハ「!…っ…(ぱくぱく)
はああ(溜息)
もういいです」ふいっ←顔を逸らす
ケイト「え?あの…」おろおろ
クレハ「筋金入りですね、あなたのその常軌を逸した優しさは。
そこが誇らしくもあるのですが、あなたがあなたでいる為にも…厳しさは必要ですよ?
人はそう簡単には変わらない。考えない人は考えないし、思わない人は思わない。
誰もがそこまで、自分を深くは想ってなどくれないものです。
自分を…大事になさい。
ちゃんと、自分の人生を…道を進む為にも」
その言葉と共に、扉は閉められた。
それから設置されたベッドに横になってから見た夢はまさに…小さい頃にされてきた、悪夢そのものだったらしく
フラッシュバックに伴い、PTSDを再び起こしたわけで……
ケイトの思考はパニックに陥ることとなり、混乱していた。