第14章 出会い
彼の話を聞き進めていく内、先程動けなかった理由も解りました。
自分より強い相手に対し、恐怖でアバターが硬直するフルダイブ不適合症にかかっていて
どうやらそれは身体的な問題であって、彼がヘタレ等の精神的な問題というわけではないようです。
ノーチラス「くそっ!!どうして動かないんだ!!」
ケイト「んなもん動かないんだからしょうがないじゃん」きっぱり
ノーチラス「なっ」
ケイト「そりゃ悔しいだろうけどさ。
どうしても強い敵を相手にした場合にその動けなくなる症状がどうにもならないなら、変わんないんなら、やり方変えるしかないじゃん。
フルダイブ不適合なんだからしょうがないというか
なりたくてなってるわけでもないし、やりたくてやってるんじゃないんだろ?
なら、自分なりの戦い方、別の方法を考えればいいんだよ」
ノーチラス「…お前は、違うから言えるんだ」
ケイト「ああ。私もフルダイブ不適合だ」
『ええ!!?;』←知らない人大多数
ノーチラス「それは…本当、なのか?」おずおず
ケイト「ああ(きっぱり)
リアルで霊感があって、私を攻撃しようと敵意や殺意や害意、攻撃するぞって意志を持って見られると
その攻撃が実際に当たる5秒程前に、それを当てようとされた体の部位に痛みが流れるんだ。
刺突だったら刺される感覚、斬撃だったらその斬られる軌道の痛み、身体を内側から抉られる感触と激痛…
まあ、それを逆手に取ることとAGI全振りのおかげで、スキルを出される前にキャンセルさせるっていう荒業ができるようになったわけだがな」
ノーチラス「それは…」
ケイト「それと同じだよ。
悪い面もあれば、いい面だってある。
例えば向かい合った敵が強いかどうかがたった一目だけでわかる、とかね。
要するに、強いかどうかを判別するのが一瞬で済む上に
すぐ周囲へ啓発できるってやり方にも置き換えれるわけだ。
どうしても物理的に護りたいって言うんなら、自分より弱いエリアで平穏に農業でもして暮らすのもありだし
もしも目を瞑った状態で動けるようになるのなら
すぐさま反対方向を向いてユナに誘導してもらいながら逃げることだってできる。
色んな方法が沢山あるよ。今はまだ試してないだけでね。
白の鳳凰に来ないか?
いずれにせよ…きっと、お前なら護れるよ」微笑