第3章 第一層攻略
ケイト「ともかく…
この中にいるβテスターの諸君、君達に言いたいことは二つ。
一つ、βテスト時の常識・固定観念は忘れてくれ。
それで死ぬ可能性が上がったら困る。
初心に返って、柔軟な対処・慎重さを持って欲しい。
何が起こるか、どう変わっているか実際に見ないとわからんからな。
敵を武器や装備に至るまで注意深く観察しつつ、互いへ注意喚起してくれれば助かる。
二つ、生きろ。
以上!」
キリト「…かっこいいな//」ぼそっ
アスナ「うん//」こくこく
料理で助手を務めるまでになったらしい人を、ケイトから紹介された。
名前はアスナと言って、細剣を使うプレイヤーだそうだ。
俺も自己紹介をして
ケイトからフレンド登録を促されたことから、自然とフレンドとなった。
俺の言葉に、アスナも同じことを感じたらしく二度頷いていた。
そうして…
それからの会議は順調に進み
明日の朝10:00にセリオン防具一式を配布、装備した後に出発ということで解散となった。
それから俺達3人は宿へと向かった。
ケイトは宿に泊まるのは二度目らしく…
尋ねてみると……
キリト「?普段はどこに住んでるんだ?」
ケイト「トラップ部屋」キラン
にやつきながら言われた言葉で、俺はすぐに理解した。
トラップ部屋の大量湧きを繰り返し利用することで
一匹に付き低い経験値でも、それを山ほど倒せば経験値は劇的に増える。
何度もそれを繰り返したり頻用することでレベル上げをしているということか。30匹も四方八方から来られたら、確かにひとたまりもないが…
ケイトほどの使い手となると、全く苦にならないのだろう。
相手の攻撃を利用して自滅を誘うような巧妙な手も使うからな;
監視という名目で人命を護れる上に、経験値も材料も他と比べて山ほど手に入る。
つまり狩場であると同時に家なのか。
合点がいって尋ねてみると、その通りだった。
だが、目的は「通行止めで既定の部屋へ入れないようにするアイテム」で、100万コルもするらしく
その敵を倒して出たアイテムを売ることで貯めていたそうだ。
装備や武器の方が高く売れるらしく、そのスキルを身に付けたとか。
近々買えるらしく、明日にはトラップ部屋に設置するそうだ。
私利私欲で使わないのは流石だな。と感心した。