第3章 第一層攻略
ケイト「まあ、ソードスキルのモーションについては教えて欲しかったかな。
でも、アルゴの攻略本のおかげでちゃんと解った。
それでいいんじゃないか?
情報を過信するのもダメだが、信じないのもダメだろ。
何があっても対応できるぐらいの心構えでいなきゃ、その先入観に足元掬われるぞ。
それだけ言っとく。
お前達と全員でクリアしたいから」
キバオウ「……な」ぱくぱく
開いた口が塞がらないとはこのことだな;
俺はその光景を見つめながら、ケイトの言動にハラハラしていたが
その理に適った言い分に、異議を唱える者はいなかった。
今は2022年12月2日
デスゲーム開始から1か月後に、200人が死んだ。
未だ第1層はクリアされていない…。
ほとんどは自殺だが、それを食い止めたのはケイトの料理だ。
ここでも現実と変わらず生活できること、街ではHPが減らないこと、等々といった情報を与えつつ
光というか、希望を持たせた。
それで前向きに暮らそうとする人もぽつぽつと現れ始めた。
ケイトに感化されて、料理をとろうとする人も出たし
鍛冶とかの重要性を語ったことから、率先してそれに回ろうとする人まで出始める有様だ。
おそらく、普通よりも苦労してきたのだろう。
冷静になるのも早くて、見ないといけない本質ってものを理解しているようにも見えた。
今だってそうだ。
何が起こってもおかしくない。そう注意喚起することで、柔軟な思考を与えようとしている。
流石だと、俺は思った。
だが、どういう方法を使ったのか解らないけれど
ケイトはもう41レベルになって、投剣スキルをコンプしていた。
そして今「片手武器作製」のスキルをセットしていて、防具製作しながら器用に
投擲用の武器を50個ほど作りながら、ベルトに取り付けられている右腰にあるポーチへ収納していった。
左腰のポーチには回復結晶や転移結晶を入れているらしい。
ストレージのそれはデータ化されていて、出すのに時間がかかる。そのため、予め回復アイテムや転移アイテムをポーチに入れる必要性があるそうだ。