第14章 出会い
クレハ「日本人であることを、私はいつしか恥じていました。
あのように好き勝手に陰でささやき合い、当の本人とはぶつかり合おうとはしない。
あのような下劣な存在ばかりだと、日本人への認識は曇る一方でした。
この外見から外人であるように囁かれ、一方的に言われるだけ。
ちゃんとぶつかり合おうとしない、向き合おうともしない。
少なくとも…私が出会った日本人は、そんな人達ばかりだった。
ですが…あなたのような人がいることを知れて、嬉しかったです。
ありがとうございます」微笑
ケイト「?何が?」きょとん
クレハ「先程の言葉を聞いていたのですか?」
ケイト「いや、聞いてたし理解もある程度したけれど…
私にとっては普通のことしただけだし、本気でそう思ったから」
クレハ「!」
ケイト「だから…どこに礼を言われる要素があったのかなあ?って…」頭かく
クレハ「ぷっ…^^(口元押さえ」くすくす
ケイト「え?;何で笑ってるの?」
クレハ「極度のお人好しもここまでくれば…何というか……(ぷるぷる)
馬鹿ですね、本当に^^」くすくす
ケイト「ええ!?;そんなことやった?;」
クレハ「ええ。やりました」にっこり
ケイト「ええ?;どこら辺が?」
クレハ「あなたの、優しさが異常です」
ケイト「う~ん…ごめん、やっぱりわかんない;」
クレハ「わからずともいいです。
それが…あなたの一番の良さなのですから」微笑
とても眩しい存在だと、あの街へ連れ出された当時にも感じた。
さぞ楽しそうに、開発した料理を出しては満面の笑みで進めたり、
かと思えばそれを食べたり
『お前が食べないんなら私が食べるぞ^^♪』もぐもぐ
『あ!;』
『これ、最後に残しとこうかな』にこにこ
『ではいただきます』ぱくっ
『あああああああ!!!!!;
クレハ!;返してええええ;』
『もう食べ終わりました』ごっくん
『意地悪うううううう;
大好物だったから最後に食べようと思ってたのにいいいい;』ぐすぐす←半泣き
『先程取られたささやかな仕返しです(くす』微笑←楽しんでいる
あの時から…私とあなたの奇妙な関係は始まった。
このような喧嘩をしたり、下らないやり取りをする相手なんて、今まではいなかった。
私にとって、特別な…
唯一の存在が、現われた瞬間だった。