第14章 出会い
未だに両膝を抱えたままで、涙をぼろぼろと零す彼女に…
私はそっと彼女の前で跪き、頭を撫でた。
クレハ「私は、今でも信じています。
あなたを、あなたの心を…」微笑
ケイト「ぶわぁっ!!)っ;;」
クレハ「だから…その不安に押し潰される必要はない。
もしそうなったとしても、人の場合にあなたは何て言ってました?」
ケイト「ぐすっ;
私に…言っていい。ぶつけても大丈夫だって;」
震えながら、涙を腕で拭いながら、声が引きつる中
その言葉は辛うじて、聞こえてきた。
クレハ「確かに、私はあなたと同じ経験はしていない。
だから、どうしたって理解はできない。
それでも、その心を読み取って、共感して、寄り添う事はできます。
あなたが私へ、そうしてくれたように……
笑顔を望んで、楽しいことに何度も誘ってくれたように^^」
ケイト「…う゛んっ!;」こっくり
クレハ「だから、信じます。あなたの信じる心を。
私達へ向けてくれた心は、決して負けないと…」微笑
ケイト「…縋っても、いいの?」
クレハ「ええ。自分が辛くなれば、私も言います。
だから…大丈夫だと、信じて。
言ったでしょう?
全力で、ぶつかってもいいのだと」微笑&なでなで
ケイト「うん;…うんっ!!;;
ひっく;ぐすっ;」涙腺崩壊
クレハ「だから…独りで辛いなら、押し潰されそうになるのなら
『信じて、頼って』」ぎゅっ
ケイト「うん;」
抱き締めると、頷きながら抱き返された。
温もりに身をうずめる様に、すり寄りながら…
クレハ「そして一緒に乗り越えましょう。
あなたが、そうしてくれたように…
たとえ無理な時があったとしても、あなたの為に駆けつけてくれる人はこんなにいるんです。
独りだと思わないで、頼って」
ケイト「ぜっだいそうずる!!;」ぎゅうう
それから…
彼女はフラッシュバックが起こった時に、助けを求めるようになった。
悪夢を見ないようにという名目で、一緒に寝る事も増えたけれど…
その変化が、成長が、とても喜ばしく感じた。
そして今…
昔よりも、人のことを気にし過ぎる事は減った。
大丈夫だと信じて、全力で自分という存在をぶつけられるようになった。
それは余りある程の大きな収穫で、心から嬉しかった。