第14章 出会い
それから、晩の10時を過ぎても帰ってこない彼女が心配になった私は
ケイトを探し始めた。
それは他の方々も同じようで、キリト、アスナ、クライン、ヒースクリフ、ディアベル、キバオウ等々…
ケイトに縁のある人達が全て集まり、総出で探し回った。
霊感を用いた『気配の消し方』も完璧に会得している上に、こちらでも使えるようで
索敵の派生スキル、隠蔽に対する看破(アピール)をコンプしていても引っかからないほど、その技術は卓越していた。
猫に遭遇した時に撫でるために頑張っていたらしく、忍者と呼ばれていたようですが…
別の意味で厄介なものになっていた。
そうして見つけたのは……
私が彼女と出会った場所で、独り両膝を抱えていた。
たった一人で、敵にも遭遇しないまま。
クレハ「……ケイト」
ケイト「…」
黙ったまま顔を上げる彼女は憔悴していて、とても元気のようには見えなかった。
あんなに激しく取り乱して、持ち直せるわけがなかった。
あの立ち去った時、無理やりにでも追いかければ…そう思った。
冷静さを取り戻していたようで、それは表面上だけ取り繕っただけだった事に…
気付けなかったことが、非常に苛立った。
クレハ「心配しましたよ」
ケイト「もう、要らない…」
クレハ「!…え?」
ケイト「あの時…クレハを傷付けた。
ショックを受けさせて、傷付けて…自分を傷付けてきた人達と、私は何ら変わらない。
もう、死にたい…消えたい…あの世に還りたい。
私の目には視えるのに、他の人には視えない。
誰もいない。憶えてもいない。
自分はちゃんと……憶えてはいないけれど…感じ取れてるのにっ;
この胸の奥でずっとわだかまり続けている苦しみも、恐怖も、痛みも、辛さも…
もう、何もいらないから…
お願いだから、死なせてっ;;」
『何の為に生きろって言うんだよ。
もう…何も要らない。
こんな痛みに、恐怖に飲まれるぐらいなら…死にたい。
もう、うんざりだ。』
俯く彼女を見た時、その言葉から、そんな思いがひしひしと伝わってきた。
本気で、心から死を望んでいることも…