第14章 出会い
いつまでも抜け出せないそれは、決して忘れ得ないもの。
生きている限り付きまとうそれは、常人では耐えられない。
誰にも同じ思いをさせたくないと笑う彼女の裏には、その経験があった。
長年、ずっと攻め立てられ続けてきた。
誰もいないことから、余計にそれは棘を残し続ける。
体感時間にして、25年もの間…
だからか、PTSDを起こしていたようで
起きた時の彼女は、とても暗い影を落としていました。
いつもなら、起きた時に私を見れば嬉しそうに笑うのに…
その時は、とても暗い顔をしていた……
クレハ「目が覚めましたか?」
ケイト「……」ぼー
クレハ「あの後、倒れたのですよ?
憶えていませんか?」
ケイト「……!!(はっ!)
まさか…父、親?」
クレハ「いいえ。全くの別人です。
しかも聞いた所によると、子供もいない独身でしたよ」
ケイト「そ…っか」俯
クレハ「…だから…そんなに思い詰めることは」
ケイト「ぎり!)…」
クレハ「…ケイト?」
ケイト「実の父親に殺されかけたこともないくせに!」
クレハ「え…」
ケイト「血の繋がった人間に!殺意をもって、怒りのままに殺されかけたこともないくせに!
私の何がわかるって言うんだよ…!?
同じ経験もしたことないくせに、何が!」顔を上げる
その瞬間…
私の顔を、目と目を合わせた瞬間に…
まるで正気に戻ったかように、口をつぐんだ。
ケイト「……ごめん」目を伏せる
クレハ「いえ。私も…無粋な発言をしてすみません」目を伏せる
がたっ!
クレハ「!ケイト…どこへ!」
ケイト「ほっといて…
一人にしてくれ。頭、冷やしてくる……
もう、大丈夫だから^^
心配させて、ごめん」苦笑
そう言ってから、彼女は一人で立ち去って行った。
それから、より大変な事態へと転んでいくことになった。