第14章 出会い
10月に入る前の9月下旬
ケイトの父と瓜二つの顔の人がいた。
それを見た瞬間、ケイトの中にあった恐れが呼び起こされたようで
誰の目にも明らかなぐらい、激しく取り乱していた。
当時の記憶と、トラウマと共に激しいフラッシュバックを起こし…
全てが一丸となって襲い掛かってくるような感覚にとらわれたケイトは……
ケイト「うああああああああああああああああああああああああ!!!!!;
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!;」
恐れた眼が、悲鳴に似たそれが響き渡った。
クレハ「ケイト!!?
落ち着きなさい、どうs
ケイト「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!;」真っ青
頭を抱えて、怯えるように震えていた。
クレハ「!?」
ケイト「助けて;」
その瞬間、何かが伝わってきた。
それは後にケイトが言う、テレパシーに似たものが働いたそうです。
霊界では体がなく魂が発する念で会話をしているらしく
霊感故か、それが強まっていく内に無意識にそれを使ったようで…
それから伝わってくる感情、過去、経験…
それらは吐き気を催すほど凄惨で、あまりにもひどく醜悪なものだった。
彼女の想いが痛切に、痛々しいほどに伝わってきた。
以下に記したものが
彼女の起こしたフラッシュバックを通じて、私達へ伝わってきたものでした。
『嘘に決まってるやんか』
『嘘つき』
嘘じゃ、ないのに;
『いい人なのに』
違う…家では、ずっと!!;
お父さんが…殺そうと暴力を……
『気を引きたいんじゃない?』
『ひけらかして』
違う…違うよ;;(首を2回横に振る)
助けてって、言ってるのにっ;
『躾でしょ』
『自分でやってるんじゃないの?』
『あんなに傷付けて』
何で…
どうして、誰も信じてくれない?
『信憑性に欠けるわ』
『生まれてこなければよかったのに』
子供だから…いけないの?
だから信じてもらえないの?
『悪いことしたからでしょ』
『死ねよ』
大人になったら、信じてもらえるの?
それまで…耐えないといけないの?
一人のまま、ずっと……