第14章 出会い
シリカ「クレハさんって…凛としててカッコいいですね//
堂々としているというか、立派と言いますか//」キラキラ
クレハ「そうでしょうか?」
シリカ「はい!
何というか…ケイトさんとは別の意味で憧れます!」
クレハ「…そうですか。
私としては…ケイトの方が突き動かされますよ。
いつも人のことばかりで…自分のことは殺してばかり。
だからか…放っておけなかった。
あの人を、一人にしたくはなかった。
人の心には敏感で、自分のことのように心配して…
そのくせ、自分のことはないがしろにしてばかりで……」目を伏せる
シリカ「?…そうなんですか?
なんだか明るくて、とても話しやすそうな、優しい印象を受けましたけど」
クレハ「…ええ。
少なくとも、昔からその部分だけは変わらなかった。
それがあの子の在り方だから。
これだけは死んでも譲れないというものだから。
あの優しさは、他人勝手なものばかりで
自分に向けることなどは一切なかった。
殺されかける環境にいることが、彼女にとっては当たり前だったから。
ないがしろにされて、否定されて、拒絶され続けてきた。
家族の方でも、父から虐待まがいのDVを受け続けてきた。
そのフラッシュバックから、自身を殺そうとしたこともあった。
父に瓜二つの人がいて、無情とも理不尽とも言える過去が呼び覚まされると同時に
当時の恐れの感情が爆発して慟哭が響き渡ったあの時…」
当時のことを思い出して眉間に皺が寄る中、シリカは戸惑ったような顔をしていた。
クレハ「…あ。すみません^^
今すべき話ではありませんでしたね」
シリカ「いえ…
そんなに辛い過去があったなんて…想像もつかなくて」俯く
クレハ「…それでもあれほど優しいのは…
その辛い思いをさせられる側の気持ちがわかるからだと、本人から言われました。
普通なら…護ってくれなかったくせにと、社会が悪いのだと、責任を押し付けて殺そうとしていたかもしれない。
その過去は凄惨過ぎて、人など全て嫌っていてもおかしくないほど
とても常人のそれに耐えられるようなものではなかった」
二人きりの中、私は呟き続けていた。
ただ、理解して欲しかった。
彼女のその優しさは、環境が良かったから身についたわけではないのだということを……