第14章 出会い
クレハ「…すみませんでした。
私の考えが…足りていなかったようで、逆にあなたを傷付けてしまった。
そんなつもりでは…なかったのに」
夕暮れが私達を照らす中、私は抱き締めたまま呟いて、それから俯いた。
申し訳なく思って、顔を見ていられなかった。
ケイト「い゛し゛ょ゛う゛ゆ゛る゛さ゛な゛い゛!」ぐすっ←鼻声になっている
クレハ「え?;」焦←動揺してる
ケイト「い゛し゛ょ゛う゛ゆ゛る゛さ゛な゛い゛!
ぃっく;;うっ;
ごれがら;;行動で示せ;;
バカアアああああああ;;;;」ぎゅうううっ
声が上ずりながら尋ねた直後
私に縋りつくように抱き着いて来た。
クレハ「……ええ」
ケイト「ばがああああああああああ;;;」
クレハ「くす)何を言っているのか解りません^^」
ケイト「ぐればがじぬのやだあああああ;」
クレハ「死にません」きっぱり
ケイト「だっでえええええええ;」
クレハ「助けてくれたでしょう?」
ケイト「じんじゃやああああああ;;」
クレハ「ですから死にません」
ケイト「ぎりがえしのおにいいいいい」
クレハ「言っている意味が解りません」
その時、あまりの切り返しの速さから「切り返しの鬼」と言っていたらしいです。
あの時(337ページ参照)、『死ぬのは嫌だ』と言っていたのは
クレハが死ぬのは嫌だという意味で、自分が死ぬ事に対しては言っていないようで…
クレハ「あなたは自身が死んでいいと思っているんですか?」
ケイト「いべべべべべ;
おも゛ってませんんんん;いびゃい;;」
クレハ「それならいいです」ぱっ
両頬をつねって左右へ引っ張ると、涙ながらに返した言葉に…
確かな成長を感じて、微かに笑った。
どっちもどっちだったことに、今更ながら気付いた。
と同時に…どちらにも一生をもって償うという枷がついた。
しかしそれは、重くて冷たいものではない。
どこまでも温かくて、優しいもの…それは『絆』だった。
クレハ「…あなたに会えて、本当によかった」ぎゅっ
ケイト「私も…クレハに会えて、本当によかった」ぎゅっ
クレハ「ふふっ^^」
ケイト「あっはっはっ^^」
互いに抱き締め合い…
ボートに揺られる中、共に笑った。
互いの温もりに、愛おしさに、幸せを感じながら……