第14章 出会い
ケイト「ひっぐ;えっぐ;;
ああああああっ;;」
長い間溜め込まれていた。
ずっと、希望など持たぬようにしていた。
距離を取って、どうせ助けてくれないと諦めていた。
父親からのDV、学校でのいじめ、救けてと泣いたこともあった。
泣き叫んで助けを求めたこともあった。
それでも周りは信じなかった。嘘つきと呼ばれた。大人は助けてくれなかった。
その習慣から、余計に人に期待を持たず、理解も求めず
ただただ距離を取って、話そうとすることもしなくなった。
正確には、トラウマから会話そのものさえもできなくなっていた。
距離感が解らなくなり、『いない方がいい存在』という当時に植え付けられた認識だけが残された。
だからこそ…今が異常だと余計に感じてしまうのかもしれない。
そしてそれは…これを書いている方のケイトもまた、共通している。
そちらの方では母と姉は殺されていないらしいけれど
父に殺されかけたこと、いじめられ続けてきたこと、それでも結局は憎み切れなかったこと、
実際に味わってきた傷は、痛みは変わらないはず。
いずれにせよ、その心に負った深手を呼び覚まさせてしまったのでしょう。
母や姉がまだ息絶えていなかった状況から…
クレハ「大丈夫です。絶対に死にません」がしっ
ケイト「死に掛げるのもやだ!!;
ひっぐ;えっ;;」ぐすぐす
両肩を掴みながら言い聞かせるも、すぐさま拒絶された。
クレハ「…わかりました。危ない真似はやめます。
あなたが危なくなった時以外は」
ケイト「う゛ん;;ひっ;」こっくり
クレハ「…そう言われてみれば…
確かに、私も同じようなことをしていましたね(くす)
どちらも…同じだったのかもしれませんね。
相手を想う一心で、大切にしようとするあまり周りが見えていなかった」微笑
ふと、そう呟きながら笑った。
考えてみれば…意外と似ている所はあった。
そう微笑んで、ケイトを向くと…
まだ鼻水と涙でぐしゃぐしゃで…本当に、子供の頃に戻ったようにも見えた。
きっと、本当は…その当時にそうしたかったんだろう。吐き出したかったんだろう。
そう思うと、何でか…抱き締めようとする想いが止められなかった。
その想いのまま、私はケイトをしっかりと抱き締めた。