第14章 出会い
クレハ「っ…;」涙
ずっと、子供のような人だと思っていた。
でも…
それは、他でもない環境のせいだった。
家では父からDV、学校では変わらず長年多岐に渡ってのいじめや嫌がらせ、
心が落ち着く場所もなく、常に心を殺さねば耐えられない環境から
自分の心と共に、成長までもが押さえ込まれていた。
大韓民国にある成長しなくなった木、『慟哭のポプラの木』のように…
だからなのだろうと、私は思っていた。
でも…今目の前に居てくれている彼女は…ちゃんと理解していた。
世の中の醜さも、汚らわしさも、全部…理解して、その上で受け止めてくれている。
気にしてなくてもいいというような言葉に、涙が一層溢れだして止まらなかった。
ケイト「私はっ…理由なんてどうだっていい。
一緒に居たいから、一緒に居るんだ!これからもずっと!!」きっ
涙ながらに真剣な表情を浮かべて、私の両肩を掴んだ。
ケイト「だから…気にすんな!!」
クレハ「っ;うっ;」ぼろぼろ
ケイト「いっ!?;」汗&ぎょっ!
クレハ「ひっく;ぅっ;;」
ケイト「え…あ…えっと…その」おろおおろあわあわあわあわ
たらたらと冷や汗交じりに焦りまくっているケイトが…
たまらなくおかしく、笑えて仕方がなかった。
ただ、その溢れ出る涙を止められるまで時間はかかったわけで…
その間中、ずっと「大丈夫か?大丈夫か?;大丈夫だからな!」とおろおろと頭を撫で続けてくれた。
その温かさが、とても心地よかった。
クレハ「…(くす)
ええ…ありがとう、ございます」ぽとっ
ケイト「そうだ!今世でダメなら来世で結婚しよう!」ぽんっ
クレハ「え?;」
ケイト「そうだ!それがいい!」
クレハ「……そうですね」
そう突如として切り出され…
どこか穏やかな感情に包まれて、微笑みながら頷いた。
その未来を思い浮かべ、それを楽しく思いながら……