第13章 生きて
クレハ「…あなたがいなくなって、どんな思いをしたか…
考えましたか?」ぷるぷる
ケイト「クレ、ハ?」おろおろ
いつも気丈で、不安や感情などめったに見せない彼女が
声までも震わせていた。
涙を浮かべながら、すがるように…
クレハ「死んで、しまったのか…わからなかった…
誰もが死んだと言って…もういないのだと言って…
連絡もとれなくて…声も聞けなくてっ…;
どれほど…
どれほど、心配したと思ってるんですか…!?」ぎゅううう
ケイト「あ…その……クレハ…」
頭の中が真っ白になった。
涙が一筋頬を伝って、手に触れた時…
私がしでかした事の大きさを、その時になって知った。
クレハ「何で私に、何も言わずに……
できるなら…私も一緒に、戦いたかった…!」涙
顔を上げながら、私を睨んで叫びつつ、涙が目にいっぱいに溢れていた。
感情の起伏を滅多に表さない。
しっかりしていて、いつも凛としていた。
そんなクレハが…自分が死んだと思って泣いていた。
後で知ってどんな気持ちだったか、全部伝わってきた。
死んでしまったことを信じたくない、でも連絡も取れない、声も聞こえない、何も言わずに消えてしまった、
それほどの自分は頼りないのか、護れなかった、悔しい、哀しい、痛い、辛い、胸が張り裂けそうな痛み…
何より…一緒に戦いたかった。
その意味が、気持ちが…
その時になって、全部伝わってきた。
その瞬間、私もまた…涙が滲んで溢れていった。
クレハ「あなたを、護りたかった…!」
振り絞る声に、小さく嗚咽が聞こえてきた。
私の胸を叩いて…
そんなに力が入っていない一撃…
でも、それは…心の籠った、私への想いを込めた一撃だった。
ケイト「ぶわっ)…ごめん…
ごめん…!(涙)
そんなつもりじゃなかったんだっ。
そんな思い、させるつもりなんかっ…(ぽとっ)
ごめん、クレハ…
ごめんんんん;;
わああああああああああああ
うあああああああああああああああああ」
その瞬間、耐えきれずに涙がぼろぼろと落ちていった。
一番耐えられなかったのは、辛い思いをしたのはクレハだろう。
でも…とても嬉しかった、と同時に哀しかった。
自分がしでかしたことの大きさを、その時になって知った。