第13章 生きて
クレハ「あなたを信じない人なんて、ここにはいない。
どんな時も信じて欲しい。この世界を、自分の夢を。
押さえ切れない衝動に身を任せていいから…
ちゃんと自分と向かい合って、自分らしく……本当の意味で『生きて』」
そう笑って、昔に彼女がしてきたように手を取って…
頭を撫でた。
その温もりが、心に沁みた。
『遠慮なんていらない。どれだけ失敗してもいい。
たとえそれでどんな結果になったとしても、私がいる。いつだって支えるから…^^』
人にそう言っていた割に、彼女自身は全くできていなかった。
クレハ「…前に、あなたが私へ言っていた言葉を憶えていますか?
『遠慮なんていらない。どれだけ失敗してもいい。
たとえそれでどんな結果になったとしても、私がいる。いつだって支えるから、助けに行くから!
何よりお前は…一人じゃないんだから^^』
その言葉、そのままお返しします」涙目&微笑
ケイト「っ……;(つー)
ばっか、やろ…
嫌ってぐらいウザくっても、知らないぞ?^^」涙
クレハ「ええ。存分にどうぞ」にっこり&涙
その言葉の後、修業はいつの間にか中断していて…
修業場で泣き崩れた彼女に、ずっと寄り添っていた。
その泣き続けた時間は…35分。
私は10分程度で終えましたが……
クレハ「またそうやって泣いて…
感受性が強いにもほどがありますよ?」くす
ケイト「五月蠅い。これが私だ」ぐすん
クレハ「ええ…知っていますとも」微笑&なでなで
胸に顔をうずめる彼女に、私は笑って撫でた。
それから彼女は…ちゃんと、本気を出すようになった。
自分のやりたいことを見つめつつ、自分の夢を見出して追い出した。
自分に合った、自分だけの生き方を、夢を…
生き生きとした表情が、何度も垣間見えた。
嫌なものは嫌とはっきり言い、助けて欲しい時はちゃんと言い、人にお願いをしたり、
自由気ままにやりたいことを自分からやり出し、失敗を恐れず全力をぶつけられるように、
人に常に合わせるわけでもなく、自分のペースと向き合い、それと兼ね合いを取るようにもなった。
何より、絶望して望むことを忘れていた彼女が、望んだものを求めるようになった。
それから、彼女が本当の意味で生きるようになった。