第13章 生きて
ケイト「あれ?何で私…泣いて……」ぐしっ
きっと、報われたことを知ったことが嬉しかったのか
否…多分違う。
それよりももっと別のものだ。
絶望ばかりだった人達が、そう言ってくれるまでになったから…そう思えるほどに、なったからだと…
ちゃんと救えていたことが、自分にとっては本当に…凄く嬉しかったんだ……
クレハ「言ってくれたでしょう?聞いてくれる人は、ここに居ると。
『いつでも話していいから^^』と、笑いながら言ってくれましたよね?
話さないと解らない。
それは、誰もが知っていること。
それでも、あなたは…誰であろうと、楽しみを見出せるように工夫してくれた。
必死で考え、設計から増築まで、開発まで…全部を込めた。
それがレジャーランドでしょう?」
ケイト「…うん」頷
クレハ「そのおかげで、子供達も元気になった。勉強会を開いたり、楽しめるようになった。
個々の楽しみを求められるようになったのは、あなたのおかげです。
あなたが書いた戦術書も、身体の作りに伴った効率的な使い方という本も…
そのおかげで助かっている人達が多くいるんです。
だからこそ、はっきり言います。
『あなたの命は、私達の命でもあるんです』」
ケイト「!!!」
クレハ「だから…簡単に捨てないで下さい。
目の前の誰かに、過去に何か言われたからといって殺そうとしないでっ」ぎゅう
ケイト「…っ;;
クレハ…っ;」じわっ
抱き締められながら言われた言葉に、私は涙が止められなかった。
その温もりが、温かさがはっきりと伝えていた。
『生きて欲しい』と…
クレハ「あなたの過去は知っています」
ケイト「!」
クレハ「グレイクから聴きました」
ケイト「あいつ;)…;」
クレハ「確かにあなたは、誰かの命を奪ったかもしれない。
それでも悔いている。
その命をないがしろにしようとしていない。無かったことにしていない。
そんなあなたが!
あなたを殺そうとした人と、誰かを殺した人と、同じわけがないでしょう!!」涙目
目に涙を滲ませながら叫ばれた言葉は、痛切に響いた。
確かに私の中では…父と同じにはなりたくないという思いが大きかった。
だからか、それがよくわかっているからこそか
余計に、そのクレハの声は大きなものとなっていた。