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白い流星【ソードアート・オンライン】

第12章 学び





考えるだけで、胸が苦しくなる。


これからの未来、何か別のことが起こったかもしれない。

別の道に進んでいた未来もあったかもしれない。


諭して正せるような人じゃないことは知っている。

話しただけで、向き合っただけで分かった。
見ただけで伝わってきた。


霊感があるから、それがここでも使えるから…

その未来も、何をしようとし続けるのかもはっきりと視えた。



それでも…

その人が、誰かにとっての幸せを一緒に喜べる人になって欲しかった。

その思いがエゴだと解ってても、そう望んでしまった。


けれど、それでこれから死んでいく人達をなかったことになどできなかった。


きっと、この想いは何度でも蘇り続けていくだろう…

それでも、ずっとこの重さと向き合い続けていかなければいけない。

生きることを選んだ責務として……



そう考えを纏めてから、それをプレイヤー達へ説くようにした。


神の我々を生かそうとした意志によって学んだこと

すなわち『神ノ導(しるべ)』と呼ばれることになった。




そうこうしている内に、日の出が過ぎ…

時刻は、6時を回っていた。


夜明けに、そう誓いを立てた後…私が向かったのは、生命の碑だった。



合成で貼り付けていた紙を剥がすためだ。

表面上からがりがり削ったとしても剥がれないよう、金属と一体化させるために合成を使った。


それから私は…分解を使って、紙を剥がした。




そこには…

Saiverの名の横線は消え、被せた当時と変わらずでいた。


30余名のプレイヤーに横線が入り、新たに死んでいたことを露わにしていた。

それらはラフィンコフィンのメンバーのみだった。



PoH、ザザ、ジョニー、ジョー…


彼等がした罪状は、不思議なことに生命の碑に全て記されており

死因の所には、『死刑執行』と書かれていた。




私がいない間、彼らによるプレイヤー死亡者は全て

白の鳳凰が責任を持って0になるよう、護り続けてくれたらしい。


今日、死んでいった命を背負おう。



より強く光が入って、生命の碑が輝く中…

それを見て再び、強くそう思った。



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