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白い流星【ソードアート・オンライン】

第12章 学び





ドスッ!!

ケイト「っ…」ぷるぷる

初めての殺しに…涙が滲んだ。


殺したくない。嫌だ。同じになりたくない。
あんな父と、同じになんか…

震えが止まらない。涙が…気持ちが…動揺が……


そればかりが、胸の内を占めていった。

そして気付けば…動けなくなっていた。


そんなマスターの心境は、まとめて俺達にも伝わってきた。



止めを刺し切れていないまま、ナイフを突き刺したままでいた時…

刀を振りかぶられた。



「このっ!」
ざんっ!!

その直後、俺は容赦なく首を斬った。


グレイク「一人にはさせませんよ!

言ったじゃないですか!!生きろって…


あなただけの問題じゃない!

今後彼等を放っておけば、死人が増える!!

だから立ち上がったんでしょ!?
だから死んだことにしたんでしょう!!?


俺は、あなたの力になりたいから集まったんです!!

死を望んでいた。だけどあなたが教えてくれた!!
生きることの素晴らしさを、その意味を!

苦しいこともある!それでもそれがあるから幸せは瞬く!!
あなたはそれを与えてくれた!!!

だから俺達は、今ここで生きている!!!!」

そう肩を揺さぶりながら、涙ながらに叫んだ…


35人ものラフィンコフィンのメンバーを周囲が圧倒する中

マスターを救いたくて、何度でも俺は叫んだ。



たとえ人を殺めたとしても、それはあなた一人だけのせいじゃない。

自身で望んで殺したわけじゃない。

誰かを助けたくて、誰にも殺しなんてさせたくなくて
色んな思い、葛藤、悩み、ずっと考え続けてきた。でもそれ以上の方法なんてなかった。

だからやろうと決めたんだってことを、ちゃんと解っている。


言われなければわからないままだった。

当初はケイト一人で、ラフィンコフィンを壊滅させようとしていたことを…
問題を解決しようとしていたことを。


でも…さっきので分かった。

一人だけなら、きっとここで死んでいたことを。


殺される側の心境、奪われる側の痛み、命を失ったことから得る嘆きまで…

全てを考えているからこそ、実際にその身に味わっていたからこそ
今、こうして固まっていることも…


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