第2章 デスゲーム
どうせって決めつけてた。諦めるしかなかった。人運に恵まれなかった。
色々理由はあった。
でも…同じ思いをする人を、放ってはおけなかったんだ。
それが、よく解るから。
当時の経験からか、それを見てるだけで当時の痛みがよぎるから。
痛いから。助けてもらえなかったから。見て見ぬ振りばかりされたから。
大事にされなかったから――
だから……少しでもいい、笑って欲しい。
たとえどんな人間でも、大事に出来る人になりたい。
同じにはなりたくない、あんな苦しい思いを自らさせようとする人間になりたくない。
幼いながらに、そう思った。
その意図を伝えた時、彼女は頷きながら涙を流していた。
ケイト「えっと?;あの?;」あわあわ
「…そうだね…現実と、同じだった。
一人だけじゃない」
ケイト「う、うん。そうだね」汗←精一杯の対応
「私が私でいるため
最初の街の宿屋に閉じこもって、ゆっくり腐っていくぐらいなら
最後の瞬間まで自分のままでいたい。
たとえ怪物に負けて死んでも
このゲーム、この世界には負けたくない。どうしても…
だから、攻略を進めようと思った。だからこの街(トールバーナ)まで来たの。
すぐに出るために、負けないために…そうしないと死人は減らないって思ってた。
でも…そんな救い方もあったんだね。
そう想ってくれる人が、いたんだね」ぐすっ
ケイト「あ…えと;」
「驚かせてごめんね…嬉しかったの;
ただ…嬉しかった;」
ぼろぼろと涙を零し、震えた声で咽び泣く彼女に…
私はあわあわと慌てふためくばかりだった。
それから数分後、私は…そっと抱き締めた。
彼女が声を上げながら泣く中、私はそっとその背を撫でた。
そう想ってくれる人がいることが、私もまた嬉しかった。
経験上、昔のようにはねのけられるんじゃって不安しかなかったから。