第11章 別れ
でも…何度見ても、変わらない光景がそこにはあった。
Saiverの名に横線が入っていた所も…
キリト「っ…」
それに、自然と涙が溢れだした。
拳を振るえるほど強く握り締めながら…
視界は滲み、雫が落ちていった。
たっ
その折、誰かが来た。
キリト「!クライン」
クライン「…おめえも、メッセージきたのか?」
キリト「ああ。
今日、一緒に遊ぼうってさ…(切なそうに笑う)
お前は…何て来たんだ?」
クライン「結婚…しようってよ」
キリト「!!…え?」
クライン「結婚指輪まで送りつけてきやがった。
俺の分まで…っ
それでよお…
もしかしたら…横線、消えてんじゃねえかって……(涙目」ぷるぷる
とても辛そうに…哀しそうに、震えていた。
涙が今にも落ちそうになっていた。
キリト「…俺も、同じ気持ちだよ」ぽつり
クライン「あいつなあ…
『全部失った日に、結婚できたら幸せだなあ』って…
『生きててよかった』って…あいつ、そう書いてたんだ」
キリト「!」
クライン「なのによお…こんなの、ねえだろ!!
あって…たまるかよ!ひっく」涙
キリト「っ…」涙目
『ねえ、クライン。結婚しよう。
全てを失った日に、結婚できたら幸せだよね^^
いつもありがとう…生きててよかった♪』
クライン「茅場のクソヤロウ!!」
があん!!
キリト「おい!」
クラインが怒りのまま生命の碑を殴り、それによって破壊不可の表示が現れる中
クライン「震)返せよ…
ケイトを返せえええええ!!!
うああああああああああああああああああああああ!!!!」涙
生命の碑にすがり付いて泣き叫ぶクラインに…
キリト「…っ(ぎり」涙
俺は、静かに泣いた。
メッセージについてあった、変わらぬ写真を前にして…
ぽとっ
その雫は、写真のケイトへと落ちた。