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白い流星【ソードアート・オンライン】

第11章 別れ





ヒースクリフ「よく来たね。

一つだけ、教えてもらいたいことがあるんだがいいかね?」微笑

アルゴ「ああ。

そのために俺っちを呼んだんだロ?」


ヒースクリフ「ああ……


本題から言おう。

ケイトは…彼女は、どこへ消えた?」

アルゴ「…いきなりだナ」


ヒースクリフ「…私には、彼女が消えたようには思えない。

彼女のことだ。何か狙いがあるのだろう?」

アルゴ「そういえば最近、レッドギルドが騒がしかったよナ」

ヒースクリフ「?何の話をしている?」

アルゴ「アイテムの中に、ある場所を封鎖するものがあったよナ?」

ヒースクリフ「封鎖テープのことかね?
今の話はそれに関係ない気がするが…」

アルゴ「『ある場所に隠れている』

それしか言えないが、それだけは言えル」

ヒースクリフ「!!


…そうか。
…それだけ解れば十分だ(微笑)

報酬を支払おう。望みの金額を言ってくれ」


十分過ぎるほどのヒントを教わった私は、上機嫌になった。

それと同時に、晴れ間が見えた。


長い雨も終わり、さんさんと太陽が照っていた。



アルゴ「報酬なら、もうもらってル。

ケイトに迷惑料も込みでと、先払いでもらったんでネ」微笑


ケイトが生きていること。

そしてある場所にいること。それは封鎖テープを応用して作ったこと。


なるほど…

合成と分解を応用して、今の状況を作り上げたのか……



レッドギルドを一掃するためとはいえ、隠れなければいけない何らかの事情があった。

何もなしに、こんないたずらをしでかす人じゃないのは知っている。
無意味なことはしないし、理由もなく行動に移したりはしない人だ。


スパイかどうかを見分けるためか、それともレッドギルドの居場所を判明させるためか。

どちらにせよ…生きているのなら、それでいい。



ヒースクリフ「面白くなりそうだ(微笑」ぼそっ

情報屋のアルゴが去って、一人残された部屋で私は呟いた。


彼女なら何かしら知っているだろうと狙いを付けたのは、間違いではなかったようだ。

自然と顔は綻び、目に涙が滲んだ。



晴れ渡る空と同時に、窓から背に光を浴びながら…

私は肘をついたまま両手を組んで、嬉しさのあまり笑った。


その朗報が何よりも嬉しく、とても喜ばしく…最高の贈り物だったから。


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