第11章 別れ
ケイト「私は父親に殺されかけた。全て奪われた。周囲から殺されかけ続けてきた。
何度も死のうと思った。こんな世界大っ嫌いだって絶望しかけた。
何度も殺しそうになった。話せる環境じゃなかった。
でも…
今、お前達と一緒にこうして居られて、とっても幸せなんだ!^^
ありがとう、アスナ。
大好きだよ!//」にこにこ
遠い昔、言われた言葉ばかりが何度も反芻する。
アスナ「ケイトちゃん…
私もなのに、何で?…どうしてっ;;」涙
そればかりが何度もよぎった。
でも何度見ても、その横線は消えることはなかった。
刻み込まれた線は、ありありとこう告げていた。
二度と、帰っては来ないのだと……
それから、数週間ほど静かになっていた。
攻略をしようと持ち掛ける人もいない。
楽しそうに賑わっていたはずの場所も、どこか静かで…暗かった。
ケイトちゃんは…きっと……
こんなに駆けつけてくれるぐらいに、私と同じように救っていたのね。
告別式に集まった人数は入りきらないほどで…
順番待ちをしている人が数多くいた。
あの時、きっとケイトちゃんと出会えていなかったら…
目先のことにとらわれて、攻略ばかりにとらわれて…
肝心な所は見えないままだったかもしれない。
心が生きていない。楽しめていない。
何より…見ないといけないものに、向き合えていない。
抜け出せない現実は変わらない。
なら取るべき行動は?
その時…攻略だと、私は思った。
ケイトちゃんは優しく諭してくれた。
一緒に生きようと、ここはリアルと変わらないのだと。
殺されれば死ぬ、それは現実と同じ。
ならば、少しでも楽しいことを見つけて…全員で生きて、一緒に帰ろうと。
それまでは…楽しみを見つけながら、歩んでいこう。
笑い合いながら、時には支え合って、喧嘩して…
色んなことを、一緒に乗り越えていこう。
その学びを与えてくれたのは、ケイトちゃんだった。
大事な恩人で、失いたくない…大切な存在だったのにっ;
その想いばかりが何度も何度も蘇った。
宿屋で泣いて泣いて泣いて…泣きじゃくって……
数日は、誰とも連絡を取らない日々が続いていた。
その間に起こっていたことなんて、全く気が付かないほどに…