第10章 ユニークスキル
その頃、血盟騎士団本部では…
ヒースクリフ「ユニークスキルの一つを手に入れた。か…
ふふっ」微笑
何かしらの画像を開いたヒースクリフが、楽しそうに笑っていた。
そこには…
ケイトがスキルを手に入れた場面が、動画として映し出されていた。
そうして老人はケイトへ背を向け、森の奥へと去っていった。
それからケイトがSkillの項目を確認すると、先程加えられたはずの《体術》が消え、見たことのないものが加わっていたらしい。
《神速格闘術》…
それが先程手に入れたばかりの《体術》と引き換えに手に入れた、ユニークスキルだった――
それから老人が森の中へと消えていった折
俺達の目には、何事もなかったかのようにいつもの定位置である大岩の上へ座っていた。
それをケイトへ説明すると、驚愕ばかりが返ってきた。
ケイト「え!?;私には老人が見えないよ!?」
『え!!?;』
キリト「俺達の目には、そこの大岩に変わらず居るんだが」
ケイト「え!?;さっきのエフェクト見てなかったの!?;
真っ白な光の!」
キリト「いや、見えてたけど…途中から消えて大岩の上に戻ってて」
ケイト「嘘言ってないよ!?;」
アスナ「大丈夫。解ってるから」
キリト「ああ。
きっと、そういう仕様なんだと思う」
ケイト「そういう仕様って?;」訝しげな顔
キリト「つまり…ユニークスキル入手のために必要なイベントだったとしたら?」
ケイト「え?」
アスナ「要するに、体術スキルを与えつつ
ユニークスキルを手に入れるに値するプレイヤーを待っていた。ということ?」
キリト「ああ。その可能性が一番高い。
今まで、あの筆を避けた奴は誰一人としていなかったからな。俺もやられた」
アスナ「私もよ;」
ケイト「…アルゴもか;」
アルゴ「うン(頷)
それが鼠と呼ばれることとなった所以だからナ」
キリト「体術の神速版と考えた方が早いかもしれないな。
昇華したって所か」
それが唯一のスキルだということを知ったのは、後での話だった。
というより
そもそも最初から知ってたとしても、誰も3回さえも避けることができなかったわけで…
唯一無二の、ケイトのスキルということになった。