第10章 ユニークスキル
『Message
《体術》を入手しました。』
その直後
老人が筆を取り出すと同時に、ケイトへ左右から繰り出してきた。
その瞬間、ケイトが咄嗟に筆の先を掴んだ。
爺「ほお…これを止めるとは、やりおるのお。
刃だったらどうするつもりじゃ?手首か?」
ケイト「手首押さえても、投げられたら終いだろ?」真剣
そう笑いかけると
爺「その通りじゃ!」
その言葉と共に笑って、力を抜いて後ろの、元の大岩へ座った。
それを確認してから後
ケイト「ありがとな」
体術をもらった礼を、聞こえるように呟いた。
そう笑いながら言ってから、立ち去ろうと背を向けて歩いて行った瞬間
老人は全く音も立てないまま、大岩から跳ぶや否やケイトの背後へと迫っていた。
その気配を感じ取っていたのか
ケイトは左後ろへ振り返りつつ、咄嗟に背後へ左裏拳を寸止めで出した。
それはちょうど老人が着地した時で、顔面へ向けて寸止めとなっていた。
そして老人は、両手に持った筆をケイトへ向けたまま固まった。
爺「ほっほっほっ。
どうやら、お主には先見の明があるようじゃな」
ケイト「ああ、そうみたいだな」微笑
そうケイトが答えると、爺さんは両腕を下ろして筆を懐へ収めた。
爺「お主ならきっと、このスキルを使いこなせるじゃろう。
わしから、最強の愛弟子への手向けじゃ。
受け取れ」
そうして両手で、ケイトのみぞおちへ触れた瞬間
ケイトの全身が光のエフェクトに包まれた。