第10章 ユニークスキル
だが
爺「ほぅれ!」
ケイト「ふっ!!」
その瞬間、全て避け続けた。
再び縦横無尽に、右へ左へ後ろへ、前へ低く
重心を常に下げたまま、跳躍を使って小回りよく動き回り続けていた。
素早く動きつつ、小回りを上げるために重心を常に低く。
相手が振り上げた瞬間突きで倒す。もしくは武器を持った手を払う。
これは昔、ケイトから風月流を教わった時に言われたことだが
「重心位置を下げることは倒れにくいことへ繋がる。
それだけでなく、次の運動場面に素早く安定して移ることができるんだ。
要するに、「重心が低いと安定性がよい」
=「次への動きに移るのが早くなる」と言っても過言じゃない」
それはまさにその通りで、常に重心を低くしつつ素早く動き続けるのが難しい。
だが、それさえできるようになれば即座に誰よりも早く動けるようになる。
それをまさに、目の前で実践していた。
《体術》を極めた爺さん相手に…
最後のそれは、左へ移動してたのもあって掠るほどのもので。
ケイトにとって左側から迫る筆に
咄嗟にケイトは自身の左頬を右拳で殴ることで、後ろへのけぞらせると同時に後ろへ跳躍して
左片手でバク転し続けて、僅か数秒で15mほど距離を取りながら最後の跳躍で大岩の上へ乗った。
全く身体をぶれさせず、綺麗な着地だった。
自然と風が吹き、木の葉が舞う中…凛と立つケイトに、俺は見惚れていた。