第9章 すれ違い
キリト「そもそも、人は皆、何かしら合わない部分がある。
それで嫌な思いをさせまいと一人一人合わせていたら、お前が耐えられない。
そのことを心配して言ってるんだろ?」
クライン「おう!
だからな、まずは自分ってもんでぶつかっていいんだよ。
誰だって嫌な思いさせることだってあるぜ?気付かない内にとかよ。
だけどお前は、それさえも想定して必死に苦しませまいと頑張ってる。
でも完璧にあわさねえで済むなんてことは本当に難しいし
それこそ、無理がたたって倒れかねねえだろ」
ケイト「う…;確かに倒れたけど;」
アスナ「まずは自分の限界をちゃんと見極める所から。
気付かない内に無茶を通り越して、最終的に気付いた時にはいつも倒れてる。
それを改善するためには、疲れたらすぐにちゃんと休むこと。
ずっと考え過ぎるとかの無茶をしないこと。
知らない人にまで合わせようとしてばっかりでしょ?
身近であってもなくても、嫌な思いをさせないように奮闘してたら
それこそ相手や周囲に振り回されるばかりで、自分を持てなくなっちゃう。
だから身体だけじゃなくて心まで疲れて、過労で倒れるまでに至ったんだと思う。
だからまずは…自分を、大切にして?」
ケイト「…………
わかった(こっくり)
努力する」
長い沈黙があった。
それはきっと、昔の出来事が普通としてしみ込んでいたからこそなのだろう。
でも…今は違う。
それと向き合おうとしているのだと、俺は感じた。
それから、ケイトへの決まり事を俺達と一緒になって決めた。