第9章 すれ違い
1.自分の心、やりたいこと、望みと向き合う。
何でも人に合わせようとしないこと。
ことに、自分を殺すことは厳禁。
2.人を助けたり思いやるのは、余裕ができた時だけにすること。
倒れるもとになるから、きつくなったら止まること。
死んででも助けられても嬉しくないし、逆に辛いだけだから。
3.何かあったら、無理をせず人に頼ること。
抱いた気持ちは無理に押し殺さず、何でも人へ言うこと。
ケイトちゃんにとっては消化不良になるし、周囲もまた言われなければわからないから。
4.今は、昔と違う。その意味を、ちゃんと理解すること。
昔に押し付けられた価値観や偏見、
殺されかけること、傷付けられることへの常識、
『私がいると、皆、嫌な顔をする』といった固定観念から解放されること。
そのままでは、今学べるはずのことも学べない。
楽しいはずのことまでもが、素直に楽しめなくなってしまうから。
これらのことは、周囲にとってはできて当たり前のことだろう。
そうであっても
そういう環境に恵まれなかったケイトにとっては、異常そのものだ。
それこそ、少しずつでも慣れていくしかないと思った。
できることを少しずつでも増やしていくこと。
少しずつでも、今という環境になれることが大事だと解った。
歪まされた認識、殺されかけることと傷付けられることが喜ぶべきことと、平然と笑う心。
それを少しでも治せるように、普通に戻れるように…
俺達は、気付けばケイトの幸せを望んでいた。