第9章 すれ違い
それから後、俺達は話し合った。
その結果、一つの結論に辿り着いた。
アスナ「自分のために、生きていいんだよ」
キリト「まず優先順位は、一番が自分、そして余裕ができた時に人。
そうでないと、また潰れて倒れるぞ?」
クライン「っつぅかよ。
そもそも人ってのは皆バラバラだろ?
お前の「誰かに嫌な思いをさせるんじゃ」って行動する前から誰かを気遣ってる所は、そりゃすっげぇいい所だと思うぜ?
誰彼にでもできるわけじゃねえし、やらねえ奴が遥かに多い」
ケイト「そうかな?」
クライン「お前は、人の噂や偏見に振り回されたり、相手がこういう奴だって勝手に決めつけたりしないだろ?
ちゃんと見て、ちゃんと聞いて、自分ってもんでぶつかって
それからどういう人かって判断するだろ?
それは…相手に、嫌な思いをさせたくねえからなんじゃねえのか?
ほら、小さい時に散々されたとか言ってただろ?」
ケイト「うん。だからやりたくない」きっぱり
クライン「だろ?
ただその場で取り繕うだけの偽善野郎よりはマシだ。
その場で気付いてから急に取り繕って、そのやった「悪いこと」をなかったことみてえにしたりしねえ。
やったからには、ちゃんとその責任と向き合う。それと一生付き合う。
二度と繰り返させないように必死で頑張り続けているの、俺は知ってるぜ?
だから俺は、そんなお前に惚れたんだよ」
ケイト「……」
クライン「まあ…何が言いたいかっていったら…
それと同じことを、自分にもやってもいいんじゃねえかって意味だ。
自分に厳し過ぎるんだよ、お前は」
そう言って、頭を撫でると首を傾げられた。