第9章 すれ違い
クライン「ごめんな。ケイト…
寂しかったんだよ」
ケイト「え?」
クライン「お前、聞かれねえと何も言わねえじゃねえか。
ずっと我慢して、押し殺して…そんな痛々しいお前を見るのが…俺ぁ嫌なんだよ」涙
ケイト「!」
クライン「お前以外、考えられねえよ。
でもよぉ…やり切れねえんだよ。
一人で泣いて、押し殺して、我慢して…たまには吐いたっていいだろ。
聞く奴ぁここにいるだろ…
なあ…俺に話してくれよ。
何でも抱え込まねえで、俺に言ってくれ。
頼むから…それに殺されるまで、感情がなくなるまで、背負い込まねえでくれよ。
頼むからっ…;;」ぎゅううう
涙ながらに俺は訴えかけた。
『どうあっても失いたくない』と伝えるために、強く抱き締めながら…
クライン「そりゃあ、今まで頼れる相手なんていなかったかもしれねえ!
頼ること自体、やったことねえからやり方なんて解んねえかもしれねえ!
それでも、俺に頼ってくれ!!
そうでなきゃ…
それで死なれたりなんかした日には!やりきれねえんだよ!!!;」涙
ケイト「…うん;わかった;
ごめん…でも、やったこと、なかったから;」
クライン「解ってる…ただ…俺にだけは、ちゃんとぶつけていいって言いたかったんだ。
苦しい時には苦しいって言って、縋って欲しかったんだよ。
お前の隣で、ただ支えたかったんだ!」
ケイト「…っ;;」ぼろぼろ
クライン「だから…俺に、頼ってくれ。
俺はお前がいなきゃ、生きてけねえ。どうしても縋っちまう。
勝手に身体が!心がお前を求めちまう!
お前は…?」
ケイト「私も…同じだよ。バカ^^;;」
嬉しそうに笑いながら零れ落ちていく涙が、やけに眩しく感じた。
真っ暗闇の中のはずなのに、どこか明るくて…眩しくて…
俺の惚れた生涯の相手が、俺の目の前にいた。