第9章 すれ違い
アスナ「そうよ。私達がいるから。
あの時のように、一人きりで立ち向かわなきゃいけないわけじゃないんだから」微笑&ぎゅう
暗闇の中、アスナちゃんは真正面から抱き締めた。
ケイトと同様にしゃがんだ状態で。
俺は、その二人をしゃがんで抱き締めた。
頼む…気付いてくれ。
ケイトの霊感よ…俺のこの想いを、あいつに届けてやってくれ。
本気で愛していることも。頼って欲しいことも。
頼って泣いて、迷惑かけてもいいから、一緒に生きて欲しいんだってことも!!
それが伝わったようで、頭を撫でた矢先に
ケイトは高らかに声を上げて泣きじゃくった。
堰が切れたように続く泣き声は、その場に何度も響いた。
キリト「一番悪いのは、加害者だ。
一生拭い去れない傷を負わせて、その先の人生にまで大きな影響を及ぼすような…そんな傷を残した」
ケイト「ひっく;えっ;;」
泣きじゃくり続けるケイトに、キリトもまた抱き締めた。
アスナちゃんごと、ケイトをしっかりと…
キリト「ありがとう、ケイト。
俺は…君のおかげで、アスナと出会えた。一緒に居られた。
そして…命を救われたんだ。
お前がおかしかったら、この世界全部がおかしい」
ケイト「救われたのっ…私の方でっ;(震」ぐすっ
アスナ「大丈夫…私も、同じだから^^」
キリト「人間ってのは、持ちつ持たれつな所があるよな」
そうキリトが苦笑交じりに言う中、俺は本題を突きつけた。
さっき言えなかった想いを、ちゃんと伝え始めた。