第9章 すれ違い
ケイト「っ…ぅっ;」
アスナ「だから…怒っていいの。泣いてもいいの。
それでおかしいって周囲からされてきたから、それがケイトちゃんにとっては全てだったから、余計に難しいかもしれない。
でも…そうすることが普通なの。殺したいって想いも、その当時の気持ちも吐き出していい。
私は…ケイトちゃんに生きてて欲しい」
ケイト「アス、ナ…;」じわっ
アスナ「私はね、ケイトちゃんがいてくれたから、前を向けたの。
この世界でも生きて、その上で帰ろうって。色んなことをやれるんだって、可能性を教えてもらった。
あなたのおかげで、私の知る世界は拡がった。可能性は無限にあるんだって、教えてくれたから…
最期まで、あなたと…共に過ごしたい」
微笑みながら、涙を流しながら言うアスナに、ケイトはとんでもないことを言ってのけた。
ケイト「……え?プロポーズ?」ぐすん
アスナ「いえ、そういう意味じゃなくて!;」あせあせ
キリト「あははっ^^;
それぐらい、愛しているってことだよな?」
アスナ「うん!!そう!」こくこく
キリト&クライン『必死だな』苦笑
ケイト「…そ、っか……いいのかな…私なんかが、こんな」
ぎゅうう!
アスナ「なんかじゃない!大事な人なの。
おかしくなんかない。その突拍子のない行動も、相手を大事に考え過ぎるからこそ、そうしちゃったんでしょう?」
ケイト「そりゃ…そうだけど…」
アスナ「なら、おかしくない。周囲から、そう押し付けられても…あなたは、そんな風に言わなかった。押し付けずに、自分一人だけだったから殺してばかりだった」
ケイト「怖いんだ…いつか、飲まれてしまった時…自分はどうなってもいいって、殺し回りそうで……
それならいっそ…自分一人で済ませれば、他の人達は今まで通り笑って生きてられるって」
アスナ「でも!」
キリト「今とは違う。
そうだろ?アスナ」
アスナ「…ええ」微笑
キリト「今は、俺達がいる。
お前が嫌な思いをしたら、前までは怒ってたろ?泣いていただろ?
それと同じように感じる人が、もういるんだ。あの時とは違って、一人じゃない。
言っただろ?「独りにはさせない」って。
俺に、昔そうしてくれただろ?
だから…もう、大丈夫だ^^」なでなで
ケイト「っ…」ぽとっ
静かに、涙が一筋落ちていった。
ケイトの、想いが…