第9章 すれ違い
ケイト「なら、自分を殺すしかないじゃん。消すしかないじゃんか。
死ななきゃいけないはずの存在が、生きてていいわけないじゃんかっ;;」
アスナ「そんなの!」
ぎゅうっ!
アスナ「そんなこと想う人はいないよ。
大丈夫、ちゃんと見てる。ケイトちゃんがあったかいことも、優しいことも、たとえ悪いことをしたとしても間違ったことしても…ちゃんと、相手のために頑張ってるんだってことも」
ケイト「あ…っ;;」ぽろっ
アスナ「だから大丈夫。
私も知ってる、キリト君も知ってる。もちろん、クラインさんだって…」
ケイト「っ…
でも、私は…そう思わなきゃ、今までの過去は…時間は…まるで、バカみたいじゃんか;;」
アスナ「そういう人がいた、それだけでいいんじゃないかな?」
ケイト「…え?」呆気
アスナ「確かに、ケイトちゃんはずっとそういう目に遭ってきた。苦しんで苦しんで、それでも誰も助けてくれなかった。
訴えかけても跳ね返されて、それは悪いからだって刷り込まれて…でもね、そういう人たちにあったから…私達に会えた。今、ここで会えた。
私は…それが凄く嬉しいの」涙
ぽとっ
その涙が、やけに眩しくて…
俺もまた同じで…涙が止まらなかった。
キリトもまた、泣いていた。
キリトは、第一層のボス戦で助けられた。
アスナちゃんは、その前に心を救われた。
俺は……こいつに会えて、一緒に過ごせるだけで本当に嬉しかった。
何より、楽しかったんだ。
馬鹿みたいなことやって、自然と歩調が合って、そんな奴は…初めてだったから。余計に!
気付けば、俺にとって欠かせないものになっていた。
皆にとってもそうだ。
だから2000もの人が集まった。支えようとしてくれた。
ケイトの大事に想う心が、俺達を…その未来までも変えてくれたんだ。