第9章 すれ違い
クライン「何でだよ…なんでこうなっちまうんだよ!;
俺は、お前のことが好きなんだよ!お前のことが好きで仕方ねえんだよ!
俺のこと、強いって言ったよな?あったかいって言ったよな?優しいって言ってくれたよな!?
それも嘘だってえのかよおおお!!」
ぽとっ
その時、頬へ雫がかかった。
前を走るケイトの涙だと気付くのに、そう時間はかからなかった。
ケイト「私だって好きだよ。
…でも、もう解んないよ。わかんないんだよ。
私なんかいなきゃいいんだ。消えなきゃいけないんだ。
そうでなきゃ…あの過去は、何だったんだよ。あの時間は、何だったんだよ。
もう…わかんないよ。生きていたくなんか、ないよ」
だっ!
クライン「っ!(速度あげやがった!)
待ちやがれ!!
死なせねえ!死んでも死なせねえぞ!
一緒に帰るんだろ!!?
帰った時に…
お前がいなきゃ、何の意味もねえだろうがあああ!!」
自然と涙が滲みながら叫んだ。
死なせまいと必死だった。
必死に追いすがる中、テラスが見えた。
クライン「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
全力で跳躍と疾走をフルに使った結果…
アスナ「ダメえええ!!!」
だっ!
その瞬間、アスナちゃんがケイトを正面から抱きとめた。
いつの間に先回りしていたか、当時は目の前のことにいっぱいいっぱいで気付く由もなかった。
ただ…ケイトが無事でよかったという安堵だけが、俺の胸の内を占めていた。