第9章 すれ違い
ずばばばばばばばばばばっ!!!
ケイトがしたのはおそらく、無尽連斬…
エクストラスキル《跳躍》と《双短剣》の複合技、101連斬撃スキルだ。
それも敵が壁際にいることから、瞬く間に斬り捨てていった……
壁を蹴る部分と、目にも映らない白い流星が敵を刻んでいく所。
それしか、俺達の目には見えなかった。
そして…
テツオ「!後ろっ!」
ササマル「うわっ!」
後ろからササマルが二体へ襲い掛かられかけた瞬間、
ケイトが天井を足場に、斬り裂いた。
凄まじい爆風に飛ばされた二人を、ケイタとダッカーが受け止めていた。
その折、俺は気付いた。
サチが、残った敵一体の下へ飛んでいってしまったことを。
キリト「サチ!!」
ケイト「伏せろおおおおお!!」
キリト「くっ!《跳躍》!
(間に合え!!」
だんっ!!
即座にサチへ向けて横っ跳びで駆けつけ、敵のこん棒が振り上げられる中
俺はサチを抱き寄せ、その勢いのまま覆い被さった瞬間…
ケイトが最後の一撃で斬り裂いた。
もう少し跳ぶのが遅ければ、敵の攻撃がもう少し早ければ
本当に危なかった…
こうして、難無くを収めたわけなのだが……
ケイト「まったくもー。
封鎖するまでは絶対誰にも入れないでよ?
60匹以上も出る上に結晶無効なんだからね、ここ」
「はい!すみません!!」
ケイト「今回はたまたま私がいたから皆無事だったけどさ…
下手をすれば、全滅もあり得た」
ケイタ「いや、ダッカーを止め切れなかった俺達にも責任はあります。
すみませんでした」ぺこり
『すみませんでした!』ぺこり
それに倣って頭を下げる中、ケイトは気にするなと笑った。
だが、初めて見るものにはあまり触らず、警戒心を持つことを薦めてくれた。
もしそれが命を奪うものであれば…そうなってからではもう遅い。
その可能性を指摘し、確実な情報なしで勝手に触れれば、予期せぬ自滅もありうると、危険性を説明してくれた。
それから注意喚起が止むまで=悪質なトラップ部屋のみを完全に封鎖するまで
27層のそれには、警備課の監視がつくことになった。
ちなみに、その頃のアスナ(休暇中)はというと
アスナ「はあ~~…
生きてて、よかったぁ~^^//♪」
風呂を堪能していたらしい…;