第8章 レジャーランド
でも人が触れたものの念まで自然と感じ取るほど、霊感が鋭敏になってきたことから
再び外に出るだけで不快感と恐怖を憶え、
『人に関わりたくない』、『関わるぐらいなら死にたい』という願望が、再び芽生えかけていたらしい。
当初はパソコンやスマホを介してなら、人の念は感じないから大丈夫だったらしい。
だからパソコン関連の仕事に就いているみたいで、生き生きとしていたようだ。
昔の時は、壁を作っている、誰も信じていないような、与えられた作業を黙々とこなしているだけ、といった印象があったらしいけれど
変わったね、と喜ばれたようだ。
心配してくれている人も知らない内にいたみたいで、それは聞いていて嬉しく感じた。
でも人付き合いがしんどいのは変わらないらしくて…
集中して取り組めるよう工夫してくれたり、場所を作ってくれたらしい。
それに答えたくて頑張ったら、それに業績はついて行ってくれた。
それでも聞こえてくるのは、変わらない。
望んでいなくても、自然と感じ取ってしまう。
挙句の果てには、向けられている視線からその向けてくる人の感情などや、自身のことを裏で好き勝手に言ったり、あらぬ疑いをかけられたり、変な噂を囁き合ったり、いじめられてた当時に悪いのは自分だと言われたり、心の中の嘲笑なども
目に見えるのではなく、耳で聞こえるのでもなく、全て視えるらしい。
全て間近でされているのと同等にまで感じ取れるほど、霊感は凄まじさを増していった。
上司と友達はそうじゃない。
たまに『嘘だろ』と決めつけられたことはあっても、後々そういう人間じゃないと解ってくれたり、
『話さないで』と言っても周囲へ理解させるために話したり、少しずつでもちゃんと向き合ってくれた。
付き合ってくれた。
けれど、それ以外は違う。
気にしなければいいと言われればそれまでだが、本人の場合はそれを見て見ぬ振りは出来ない。
かといって流すこともできない。
感じるな、するなと言われても、勝手に感じ取ってしまう。
己の意思に関わらず、魂が全て感じ取っていると言っても過言じゃないらしい。
そして人そのものに対して嫌気が差し、距離を取ろうとし出した。
それから、上記の考えへと至ったらしい。