第8章 レジャーランド
それから…
やっぱりドアの前にクラインがいたようで、くしゃみの音が聞こえた時になって
ようやくノックをしてから入ってきた。
これから先のことは、言うまでもなく…
クラインは、ケイトと付き合うことになったらしい。
クライン「いやあ~。モテる男は辛いぜ?//」にやにや
キリト「滅びろ」
クライン「い!!?;」
俺が部屋から出て数分後
そう言いながら外へ出てきたクラインに、俺ははっきりと言って
ケイトが出てから、すぐに部屋へ入ってカギをかけた。
相談相手が俺しかいないから仕方ないとはいえ、なかなかにキツイ案件だった。
4月20日、俺がケイトと再会した次の日のことだった。
そうして今…
当の本人がなかなか忙しいことから、あまり付き合えないではいるものの
ボス攻略する際においては、いつも同じパーティーを組んでいる。
風林火山と一緒に、サポートにも回る時もあるようだ。
俺が所属しているギルド、月夜の黒猫団もまた助けてもらうことも多い。
あの時はありがとう、と。
おかげで問題が解決したと、ラーメンを片手に持ってこられた時は泣きそうになった。
その時、塩ラーメンだったからか余計にしょっぱく感じた。
なんにせよ、これまで通り親友として付き合っていくことになったわけだが…
願望が無いわけじゃなかったわけで
クラインを見ると、まずは殴り飛ばしたくなる衝動が湧き上がってくる。
まあ…クラインなら、大丈夫だろう。
そう思ってしまう自分もいるのだが、やはり不服なことは不服なわけで
まだ当時はどうしようもないほど、言い知れない感情に襲われるばかりだった。
今となっては、これも必要なことだったのだろうと割り切れる。
好きなことには変わりないし、護りたいとも思っている。
でも、先日(138~144ページ参照)あぁいうのを見たからか…
そのケイトの闇が、傷が、ひどく深いのを確認して、どうにかしたいという想いが上回った。
『恋愛対象としてじゃなくても、ケイトを幸せにしてやれるなら…
力になれるなら、何でもしたい』
そう、心から想ったんだ。