第47章 神武器
~おまけ~
・12月29日
本人から見えるそれは、ただの偏見に過ぎない。
その当時に受けていた者にとっての感情は、想いは、その者にしかわからない。
結局は、自分にとって見えるものがその人にとって全てなのだろう。
いじめっ子にとっては加害者に映ったからか、本人にとってはそのつもりはなかったか…
その真実は、主張の強い方によって都合のいいように押し曲げられる。
しかし、神の目は常に真実のみを見られている。
ケイト「要するに…
人は自分の間違いは見えないからこそ鈍感で、だからこそ他の人の悪い点ばかり目に付けられるんだよ。
だから…私は、人のそれを責めずに邁進し続けていられる人になりたい」
その為か、彼女はいつも気にしている。
今話しかけたら仕事の邪魔になるんじゃないだろうか。
雑談するよりは集中してもらった方が楽なんじゃないだろうか。
ただでさえ仕事で忙しいのにこれ以上心労を増やす真似をするのは間違っているんじゃないだろうか。
そんな考えを聞く度、私は思います。
クレハ「本当に…あなたという人は……ケイトですねえ」苦笑
ケイト「うっ…そんなこと言われても;」
クレハ「でも…そこがいい所でもあります」にっこり
ケイト「!…ありがとう//」ごにょごにょ
結果、何もしゃべれなかったようですが
それ一つの行動の重みは、何も考えずにしゃべらないままよりは大分といい方だということはわかっています。
そういう気遣いこそが、人として欠かせない大切なものだと思います。
この俗世の中で純粋な心を失う者は多い。
それでも助けようと、力になれるだけ頑張ろうとできること。
だからこそ、それらが非常に尊い。
自らのできる範囲は狭いかもしれない。
届かないこともある。
それでも、その幸せを祈ることはできる。
そう思い至れることこそが、それを人に伝えてくれる彼女が…とても眩しく想える。
共感を得ることが多ければ多いほど…熱く胸を焦がれる想いになる。
気付けば私は…彼女の生き方を追い求めていた……
夢見た希望とも言える存在、それは本や物語の中にしかない純粋な存在。
それが今、目の前にいる。隣にあり続ける伴侶となったことが、私にはとても誇らしい。