第46章 お泊り・5日目
クレハ「確かに…そんな家じゃ自分というものを持てないでしょう」
ケイト「でも今では少しは話せるようになったでしょ?」にこにこ
クレハ「本当に少しだけですがね」溜息
どぐさぁっ!!!
テロップ『クレハの呪文はケイトの心に突き刺さった』
ケイト「…ぐすんっ;」
クレハ「年賀状のあの件から、少しは成長していますが…
やはり、あの時のように噛み付くほど恐怖心が高まるのは…;」
アスナ「あの時?」
クレハ「ああ、いえ…こちらの話なのですけど…
7月に入ってから程なくして、悪夢で飛び起きたんです。
やめて!!と何度も叫んでうなされていて、心配になって起こそうとしたんです。
そして起きたかと思えば飛び起きて、慌てたように距離を取って
まるで恐怖の対象を見るかのような眼で震えて震えて怯えて…
必死に私から目を離さないまま後ろへ後ろへと下がり続けて……
私はただ安心させたくて、そっと優しく抱き締めたのですが…
彼女にとっては恐怖の対象に抱き締められたかのように感じたようで、必死に暴れ回ったんです。
「ぎゃああああああああああ!!!!」と、とんでもない断末魔のような叫びと共に、必死に暴れて暴れて振りほどこうとされて…
思いっきり左肩を噛まれました」
『え!!?;』
ケイト「ごめんなさい;」ずうううん
クレハ「いえ、やむを得ないことです。
あの当時のあなたは悪夢からフラッシュバックを起こしていて、今が何年なのかもわからず
過去の当時の事柄を受けた直後のように怯え切っていましたから。
あの当時、それだけ人というものが怖くて仕方なかったのでしょう。
全力で噛んだのでしょう…今では痕は残っていませんが、無意識の内に傷を残さないよう加減したのだと思います。
あなたの本質が優しいことは百も承知なので。
噛まれた後、それでも抵抗せずに優しく抱き締めたまま背や頭を撫で続けました。
すると…「ごめんなさい」と何度も何度も言いながら泣きじゃくって……
あの時の様子は…本当に、見るに堪えませんでした」涙目
ケイト「えっと…泣いちゃヤダ;(おろおろ)
今は、ちゃんと、身体、大事、してる」あわあわ
クレハ「心も大事になさい!!」
ケイト「ごめんなひゃい!!;」びくぅっ!!