第44章 お泊り・3日目
~おまけ・続~
・涙の理由、想いの至り
その当時、同級生ともうまく話せず孤立していた。
そんな状況下でもなお、そういった態度を貫く先生に…その時に味わった『辛酸』に対し
そういった過去のことから余計に強く、こう想ったそうです。
「人に、子供も大人も関係ない。
どんな年齢だろうが、どんな人であろうが、そういう風にしてくる人はしてくるんだ。
絶対に信じない。絶対に話さない。胸の奥から湧き出る恐怖に二度と抗わない。
質問以外で、必要時以外で、二度と話しかけるものか!」と…
味わってきた想いから、苦汁から…彼女は自分から話しかけることを頑なにやめた。
やめ続け、大人でさえも助言が必要となった時以外では話しかけるということをしないようにした。
寧ろ、こう思ったのだと涙ながらに語った。
「どうせ助けてくれないのに、何で話す必要がある?
口先だけのくせに、ろくに向き合おうともしないくせに。
自分の目で耳で向き合おうともしない人間かどうか、私には対面しただけではわからない。
だから絶対に話さない。期待など持たないし、夢など持たない。
話した所で、訴えかけた所で、そんなの人には話した所で無駄だ。
二度と、人など信じるものか。二度と話すものか」
その決意は5年以上続き、結果として恐怖以外と向き合うのをやめた。
そいつの本質など知ったことか、この身にされたことが自分にとっては全てだ。
結果として、リアルの方では是が非でも「信頼しない」という選択肢が取られた。
そんな中でも自分から話しかけてくれる人の存在が、友と想ってくれたことが嬉しかったらしい。
だからこそ…友達と呼べる相手が現れたことが、非常に衝撃的だったらしい。
その中でも、向かい合ったのは初めてだというのに恐怖を一切感じなかったのは人生の中で私だけだったようで、その分その想いは各別だったようです。
もっと早くに会いたかった。
そればかり言い連ねながら、涙を零し続けていました。
幼い時にいてくれたら、あの時にいてくれたらと涙が止まらなかった。
周囲に理解者がいないこと、向き合ってくれる人がいないこと、自分の目で耳で判断してくれない人ばかりだったこと、
それらに伴って、先生の中でも他の人が言うことを鵜呑みにして差別された件もあったから、余計にだそうです。