第44章 お泊り・3日目
1時間後にしてようやく落ち着きを取り戻したのですが…
「ひっく…うぅっ;」がたがた
「…落ち着きました?」
「うっ…;」
そう言えば今思いましたが、私と出会った時に恐怖を一切抱かなかったはずでは?;
「何故、それほどに怖がるのかについては言及しません。
問われても、言葉にできるものではないことだってあります。
だから…一つだけ、提案があります」
「?」
「私の、家族になってくれませんか?」
「!…なん、で?」
「調書について聞きました」
「長所?」首傾
「調べた内容ということです。探偵と契約を結んでいますので」
「そうなの?」
「ええ。
ですから…改めて問います。今のあなたの環境に、不満はありませんか?」
「不満?何で?…私にとっては、これが普通だよ?」
「…だとしても、痛いのは誰だって嫌でしょう?」
「ん…でも…今日会ったばかりなのに、何で?」
「それは…見過ごせないからです。
苦しんでいるのに、帰る場所がそのような場所なのに…それを黙認など、私にはできません。
あなたにとっては、私にとって都合のいい独りよがりな意見でしょう。
それでも私は…あなたを救いたい。
『慈悲の心を忘れず、共に生きていくこと』
それこそが我が飛龍家の座右の銘であり、私にとってあこがれの存在なのです。
だからケイト…嫌ならば手を取らなくても構いません。
私が勝手に取ります。絶対に離しませんし、見捨てるという選択肢もありません!
たとえお節介であろうが、このまま不幸に落ちるあなたを放っておけるわけがない!!」
「っ…何で?どうして?
…そんなの、なんの得にもなってないよ?
誰も助けないくせに、何で今更来るの?
警察だっていたずらだって父親の言葉うのみにして動かなかったくせにっ!
遅すぎるよ;」涙&ぎゅ
拳を握り締めながら、痛切な声がここにまで聞こえてきた。
無論、ケイトも隣に居ますが泣きじゃくっています。それはもうぼろぼろと。
テロップ『ある意味カオスへと陥った!』