第44章 お泊り・3日目
ケイト「でも理解を進めるまで時間かかる方だからさ;
しかも言ってくんなきゃわかんない方だし;」じめじめ
クレハ「だとしても私はいつでも付き合います!
私が付き合いますから、そんなに自分を卑下しないでっ!!」涙目
ケイト「あい;承知いたしました;」深々お辞儀
クレハ「頭も下げないでっ!!」かっ!!
ケイト「はい!;」ばっ!←高速で頭をあげる
クレハ「いいですか?…
あなたは、人付き合いという点において時間が非常に少なかった。
だからこそのその時間なのです。
自分のことしか見えない。理解できない。
それはこの世の誰もがそうです。自分の目で、耳で、口で…自分の周りにあるそれら全てを、自らの身体を通して感じているのですから。
それは誰であっても同じことです。そしてあなたは理解されることから逃げた。
いえ、そういうことをしたということさえもわからないまま実行に移し続けた。
差別されるばかりだったから。苦しめられるばかりだったから。その様を見て喜ばれるしかなかったから。
だからこそ…人というものに恐怖という固定観念が結び付いた」
ケイト「うん…どうあっても、離れてくれない。
余程時間を共に過ごした人じゃなきゃ、無理だよ」
クレハ「それはそうでしょう。私だってそうでした。
お爺様にメイド長に運転手…
たくさんの人が屋敷におり、そこで知り合い、生活を共にしました。
今や20年以上も共にしているからこそ、要領よく渡れるようになったのです。
中には合わない人だっていました。性格上ですが。
あなたは…周囲の環境が環境だっただけに、「自分だけがおかしいのだ」と「自分さえいなくなれば皆幸せ」などと刷り込まれた被害者に過ぎません。
でもその悪の在り方に疑問に感じることを、考えることを投げ出して浅慮な行動に走らないで。
死のうとするなどという行動には移さないで下さい。
あなたが死ねば、私は哀しい。
それだけは、絶対に忘れないで」ぎゅうっ
ケイト「…うん。わかった。絶対に忘れない(ぎゅうっ)
でも…死にたくなる時だってあると思う。
頑張って戦うけど、それが及ばなかった時は…助けて」
クレハ「当たり前です」
何を今更と目を伏せて言うと、とても嬉しそうに目を細めて笑いかけてくれた。
その後ろのミーは、どこか寂し気でしたが…;