第42章 お泊り・1日目
ケイト「して欲しいことなんて、一々聞いてそれをやった所で意味なんてない。
考えてみて?された側の気持ち、今ではわかるでしょう?
言われた後でそれを言われるがままにやったって…それはただ満足感を得たくてやってるだけで意味なんかないんだってこと。
まあ要は本当に悪いと思っているんなら、心から謝罪したいって思ってるんなら、自分が思うそれに釣り合うぐらいの償いをしてから謝罪しろって話。
ただ口だけの謝罪なんて聞きたくもないでしょ?」
「…まあ。
じゃあお前にとっての償いは何なんだよ!」
ケイト「いじめられてた時、抵抗も反発もしなかったでしょ?それを償いとする(キラン)
あからさまにそのやった悪いことの謝罪を要求せず説明もせず、わからない状況下でずっと押し付け続けてきた理不尽なわけだし。
それ以上の不幸や痛みなんてないでしょ?あなた達が嫌だって感じたものの比じゃないよ?」
「…;」
ケイト「…私の中ではね、今でも殺したいほど憎んでるよ。
でも…やっぱり、どうあっても欠かせないんだ。私という主軸は、その過去があってこそなんだって…友達ができて、クレハと出会えて…視野が拡がって…やっとわかった。
だから絶対に忘れない。忘れちゃいけない。
「欠かせないピース」だから。
終わったことだからって、消していいものだなんて思えない。
自分にとっては…他人にされる痛みを知った。周囲で一方的にされる痛みを知った。
多人数でいたぶられる痛みを身をもって知った大切な出来事だから。
そのお陰で、いじめっ子達が私を慕う人達にボコられそうになってた時に止めるように言えたわけだしね^^
私が人にしない為に欠かせない、大事なことなんだ」
「そう思えたら…早く気付けたら、楽だったのにな」
少しだけ溜息を零しながら、彼は呟いた。
ケイト「本当にそうだね。
そしたら、こういうことしなかった?」
「…」こっくり
数秒ほど黙って、ちゃんと考えてから頷いてくれたように感じた。
昔とはえらい違い…←目を見張るばかり