第42章 お泊り・1日目
クレハ「ケイト!もういいです!十分d
ケイト「わかるなら言ってみろ!!どういう気持ちだった!?
気持ちさえも、感情さえも無くし!自分のことで何も感じなくなる心境はどうだった!?
答えろ!!!」
クレハ「ケイト!!」
ケイト「私を殺そうとするならそれでもいい!!死にたかったのだから別にどうなったっていい!!
でも…やっと…「心」を取り戻してくれた人を!!私の大切な人を巻き込むな!!!」
クレハ「!!」
それに対し…何に対して怒っていたのか、理解出来ました。
気が遠くなるほどのあの地獄を味わい続けた果てに、ようやく私達は巡り会えた。
だからこそ…失いたくなくて、あれほどに取り乱して、過去のそれさえも出てきて…余計に怒りに結び付いたのだと。
長年に渡って溜め込まれ続けてきた言いたかったことは、今になってはちきれたのだと理解出来ました。
ケイト「ひっく…っ…」
クレハ「ぎゅう)
ケイト…一つだけ間違えています。
私にとってあなたは最愛の人です。
あなたにとって私がそうであるように、私にとってもあなたが大切な人なんです。
だから…あなたも、死なないで下さい。是が非でも生き延びて下さい」
そう言いながら、抱き締める力を強めた。
脳震盪を起こして動けずにいる男性に、ケイトのいじめっ子に私は言い放った。
クレハ「ケイトにとっては、ケイトから見える世界が全てです。
そしてその世界は…常に責め立て、弁解の余地も与えず、一方的になぶるばかりだった。
あなた方はろくにケイトと面と向かって話し合おうとしたことはなかったでしょう?
父親という環境から、そういった弁解という術も取れずにいた。説明という道が潰えていた。
周囲には敵ばかり。友も居なければ理解者も居ない。その気持ちを汲む人すらもいない。
たった一回だけ、藁に縋る思いから打ち明けてもなおあなた方は笑って受け付けなかった。
24歳になって、ようやく理解者に恵まれた。そして少しずつ心を取り戻していった。
嬉し泣きから徐々に、自分というものを周囲というものを理解しようとし始めた。
24年間の地獄の中、ようやくケイトは幸せを掴んだ。SAOでの出会いによって。
それは、私にとっても同じことです」