第7章 涙と決意
うつ病、精神崩壊
そんな言葉が、私の頭によぎった。
そんな折、再び映像が流れ込んできた。
意識を失う直前、倒れ伏した二人へ必死に手を伸ばした所を…
その折、手は空ぶって血だまりへ落ち…
最初こそ温かかったはずのそれが、段々と冷えていくのがやけに生々しく感じた。
「うあああああああああああっ;;」
家に帰ってすぐに見えたのは、倒れた自分も含めた三人の跡をかたどった白いテープと
おびただしい量の血痕だった。
泣き崩れてから、ふと周囲を見ると…
死ぬことを望むもの、自身を否定する者しかいなかった。
あまつさえ、その財産を狙う欲深い目が限りなく多かった。
『私がいると…
みんな、嫌な顔をする』
痛切な表情になりながらも、静かに俯く中…
『私が居なかったら…
そんな顔、しないで済んだのかな?』
『誰もが、幸せそうな顔をして
笑っていられたのかな?』
涙も枯れ果てた先で、その考えへと至った。
それはあまりにも痛々しくて、泣きそうな顔をしていた。
アスナ「そんなことないよ!!」
ケイト「…え?」
キリト「アスナ」
二人の目が向く中、私は叫び続けた。
伝わって欲しかった。
愛していることを。
今ここに居るのは、そんな人達じゃないってことを…
アスナ「少なくとも私は…そんなこと思わないよ!
だって……そんなの、辛すぎるでしょ!?」
不意に、涙が溢れてきた。
一人きりになるしかなかった。
相談相手が先生しかいない中、話せばチクったと言われて傷付けられる。
悪いことをしたかのように周囲が貶めいれ続け
結果として、助けを求める自分がおかしいという先入観を植え付けられた。
その結果…ひどいことをされても、それが普通なのだと
逆にそれが、相手にとっては「楽しいこと」なのだから
それをやって相手は幸せを感じているのだから
自分にとっては何よりも嬉しい行為で、「喜ぶべきこと」なのだと。
歪められた認識が、概念が…
それに至るまでの「凄惨さ」を、ありありと示しているように見えた――